内容説明
窃盗の常習犯・保原尚道が仮釈放中に保護司を殺害しようとして逮捕された。取り調べる片平成之は、以前、裁判で保原が供述を翻したりしないよう圧力をかけるべく“にらみ”をしていた。保原は自首しているのだが、片平は納得していない。保原は人を殺めようとするほどの悪人なのか―。(表題作)多様なサプライズが楽しめる、名手によるミステリー傑作集!
著者等紹介
長岡弘樹[ナガオカヒロキ]
1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車輪」で第25回小説推理新人賞を受賞し、’05年『陽だまりの偽り』でデビュー。’08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。’13年『教場』が「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位、「このミステリーがすごい!2014年版」第2位となり、2014年本屋大賞にもノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
93
好きな作家の朱川さんの作品をほとんど読んだので、すぐれたミステリーの短編作家といわれる長岡さんの作品を少し読んでみようと思っています。長岡さんの「教場」シリーズのいくつかと「傍聞き」は読んでいますがそのほかの作品を少し読んでみようと思っています。その最初がこの作品集で期待にたがわず楽しめました。特に最初の作品の「餞別」には驚きました。また表題作もよい味でした。2022/03/10
Shoji
50
『教場』がブレイクしている長岡弘樹さんですが、私は『傍聞き』を読んですっかりファンになりました。『にらみ』には七編の短編が収録されています。少々、強引なプロットもありましたが、楽しく読ませて頂きました。一篇一篇も程よい長さで、ちょうどいい感じでした。2021/02/03
坂城 弥生
46
表題作は、真相がわかったときゾッとした。ああ、見てたのか、と。2021/01/25
Carlos
36
さらっと読める安定の長岡短篇集。2021/03/04
left7
23
長岡さん得意の短編集で楽しみによみましたが、期待通りの作品でした。最初の短編は長岡さんらしくないものでしたが、他は長岡さんらしさが存分に出ていて読み進めていくにつれて、加速度的に読書スピードが上がっていきました。やっぱり長岡さんは希に見る短編の名手だと再認識しました。長岡さんの作品はこれからも読み続けたいと思います。マイベストは「白秋の道標」です。2022/01/04