離陸

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  • サイズ B6判/ページ数 411p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163901220
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

謎の暗号文書に導かれて「女優」を探すうち、主人公は幾つもの大切な命を失っていく。透徹した目で寄る辺なき生を見つめた感動作。

生命の「離陸」を描いた新境地長篇

謎の暗号文書に導かれて「女優」を探すうち、主人公は幾つもの大切な命を失っていく。透徹した目で寄る辺なき生を見つめた感動作。

内容説明

「女優を探してほしい」。突如訪ねて来た不気味な黒人イルベールの言葉により、“ぼく”の平凡な人生は大きく動き始める。イスラエル映画に、戦間期のパリに…時空と場所を超えて足跡を残す“女優”とは何者なのか?謎めいた追跡の旅。そして親しき者たちの死。“ぼく”はやがて寄る辺なき生の核心へと迫っていく―人生を襲う不意打ちの死と向き合った傑作長篇。

著者等紹介

絲山秋子[イトヤマアキコ]
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2003年「イッツ・オンリー・トーク」で第九六回文學界新人賞を受賞し小説家デビュー。04年「袋小路の男」で第三〇回川端康成文学賞、05年『海の仙人』で第五五回芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年「沖で待つ」で第一三四回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

423
この時点で絲山秋子さんの本が20冊(その後最近刊『薄情』が出版され、現在は21冊)。私にとっては17冊目だが、相変わらず変貌を続けている。本編は10年くらい前から構想を温めていたらしいが、それがついにここに結実した。これまでは彼女の小説を日本文学の範疇で考えていたが、ここに至って世界の水準に達したように思う。読んでいる途中に、しきりにパトリック・モディアノとの相通性に想いを馳せた。しいて、作品を挙げれば『失われた時のカフェで』だが、それというよりは、小説の持つ核心のようなものが通底するように思うのだ。2015/12/26

なゆ

174
とてもとても心に沁みる、いい本である。タイトルの「離陸」が、何を意味するのか、そこのおさまり方が実にしっくりとくる。はじめは昔の彼女の消息を辿るミステリーっぽい話かと思ったが、それはただのきっかけに過ぎない。やはりいろんな土地を渡り歩き、矢木沢、パリ、霞が関、八代、そして…。長編だけあり、他にもたくさんの地名が出てくるのも嬉しい。幸福、不幸、幸福、不幸、というつぶやき。そしてサトーサトーという呼びかけが、とても優しく響く。謎は多いが、私も「わからない」でいいと思っている。感じるべき所は、違うと思うから。2014/10/13

相田うえお

148
★★★☆☆ 18015 ダム勤務の男性(主人公)の元に、ある女性を探せとフランス人男性が訪れた。探す女性は主人公の元彼女だった。だが今は無関係。そんなときに主人公は急な異動でパリに行く事になり、依頼者の男と会う事に。。と始まります。読み進めていくと、この話って何?はてなマークが付き過ぎて逆に引き込まれてしまいました。ダム,震災,タイムスリップ等のモチーフに必然性があったのか?振られた謎は最後まで未解決のまま了。起承転結が当てはまらず起承承承と、ある意味、初めて経験する凄いものを読んだ気がした。おすすめ!2018/02/21

名古屋ケムンパス

144
エクセレント!!読み進める前に「あとがき」を先にお読みください。本作を著者が書くきっかけの一つは伊坂幸太郎氏の「絲山秋子の書く女スパイ物が読みたい」との言葉であったとの記述で、謎めいた出来事のもどかしさを難なく受け入れることができます。主人公である森の番人サトーサトーは技術屋さんの国交省の役人でした。彼は2人の女性と出会い、恋愛し、突然の別れを余儀なくされてしまいます。別れは残された者の喪失感を語るものだと思っていましたが、旅立つ者の門出に立ち会う送り人の覚悟を語るものだったんですね。 2023/08/12

❁かな❁

144
絲山秋子さんの作品を読むのは7作目。お気に入りの絲山秋子さんの新刊ですし、大好きな伊坂幸太郎さんの帯を見て読まなくてはって思いました!新境地開拓の長編小説。主人公の元恋人だった謎の女性を探すうちにいろんな出会い、別れがあります。舞台がフランスであったり、ミステリアスな展開で今までの絲山さんの作品とは違いますが、その全体の空気感はやはり絲山さんらしく静かで深く余韻が残る作品でした☆エッセイも含めると今作が絲山さんの20作目の出版となるそうです。タイトルの『離陸』が読了後、胸に沁みます*とても良かったです!2014/12/27

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