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出版社内容情報
井沢元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他
内容説明
歴史上実在はしない伝説の人物、あるいは実在した人物についての伝説が連綿と語られ続けてきたのはなぜか?伝説自体は真実ではないが、その伝説が作られなくてはならなかった背景を見ずして、歴史というものを本当に理解することはできない。実証主義にこだわることで見落としてしまっている歴史上の人物の真実に“井沢史観”が迫る。
目次
神代(卑弥呼;臺與;大国主命;神武天皇;日本武尊;神功皇后;武内宿禰)
飛鳥・奈良時代(聖徳太子;藤原不比等;役小角)
平安時代(空海;安倍晴明;小野小町;坂上田村麻呂;阿弖流為;菅原道真;平将門;八幡太郎義家;鎮西八郎為朝;源頼光;白河天皇;崇徳天皇;平清盛)
著者等紹介
井沢元彦[イザワモトヒコ]
作家。1954年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。TBSに入社、報道局の記者だった1980年に『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。1985年にTBSを退社、作家活動に専念する。歴史上の謎に題材をとり、現代の事件と絡めた「歴史ミステリー」の分野で数多くの作品を発表している。1992年から執筆を始めた『逆説の日本史』(小学館)はシリーズ累計514万部の大ベスト&ロングセラーとなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
110
2022/6/2 楽天ブックスより届く。 2023/10/11〜10/15 井沢氏の日本史ものの新しいシリーズ。逆説シリーズが通史であるのに対し、本シリーズは人に注目して伝記的に記載されている。第一巻では、神代、奈良、平安時代の卑弥呼、神武天皇、聖徳太子、空海、菅原道真、崇徳天皇、平清盛ら23名。知らなかったこともたくさんあって、勉強になった。2023/10/15
yamatoshiuruhashi
33
「逆説の日本史」の根幹をなす考察のおさらい的な本。「逆説」シリーズを読んでいると目新しさはないが、それでも伝説を以て語られる歴史上の人物とその歴史上の位置づけ、流れを限られた紙数で明確に書かれていくと日本史が非常に理解しやすくなる。本書は神代の卑弥呼から平安末期の平清盛まで23人。主張は分かっているのについつい次の人物を読みたくて先に進んでしまった。箸墓古墳についてその築造年代が、「逆説」で執筆中には著者の主張と食い違っていたのだがその後に新しい推定法で測ると著者の主張の裏付けとなるなど改めて面白い。2019/07/11
wasabi
16
著書の歴史観、見解、歴史教育への反感は自由なんだけれど、彼自身があとがきであそこまで排他的な表明をしちゃうと興ざめだ。ともあれ、怨霊信仰を基点とした歴史学はとても興味深い。ここに並ぶ面々は、修験道、陰陽道、密教、神道で調伏され、かつ鎮魂された伝説をもち、永劫語り継がれていくのだろう。戦の勝者が敗者に畏怖の念を抱き、敬ってきた歴史が生んだ人物たち。やはり、この勝者の心をすべて保身と据えて怨霊信仰につなげるのは、正しい理解ではない。2019/02/01
スプリント
8
史料に基づき想像を働かせた小説的日本史です。 ありえそうな話だけど客観的な根拠はない歴史が披露されています。2019/02/03
ふたば
7
作家さんの豊かな発想力と確かな知識で綴られた内容は、とても興味深く読むことができた。虐げられ、陥れられた人が、その相手を呪い、祟りをなす。それを恐れて身分を与え、時には神として祀る。著者は、日本人の穏やかな気質は、人を傷つければ、自分に返ってくると信じるところから形作られたと言う。しかし、自分の出世や一族の繁栄のために、邪魔な人間や一族を足蹴にしておいて、ヤバいとなったら神として崇め奉るというのもどうなんだろう。祀れば味方になるって、そういうものか?日本人の陰湿な気質はこういうところに根幹があるのだろう。2019/03/09