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出版社内容情報
『塩原多助一代記』は、わずか六百文の銭を懐に上州から江戸に出てきた塩原多助が数々の起点を利かせ、本所で始めた炭薪の商いにより、一代で三十万両の身代を築き、二十四ヵ所の地所持ちになったという立身出世物語です。柳家小満んの軽妙洒脱な語りで、おおらかで心豊かな江戸の暮らしぶりと共に初代三遊亭圓朝屈指の名作をお楽しみください。
内容説明
『塩原多助一代記』は、わずか六百文の銭を懐に上州から江戸に出てきた塩原多助が数々の機転を利かせ、本所で始めた炭薪の商いにより、一代で三十万両の身代を築き、二十四カ所の地所持ちになったという立身出世物語です。柳家小満んの軽妙洒脱な語りで、おおらかで心豊かな江戸の暮らしぶりと共に初代三遊亭圓朝屈指の名作をお楽しみください。
目次
「青の別れ」序
「青の別れ」
山口屋奉公
給金は
藁草履
山口屋ゆすり
粉炭
本所四つ目
お亀の果て
釣り合わざるは不縁の元〔ほか〕
著者等紹介
柳家小満ん[ヤナギヤコマン]
1942年神奈川県生まれ。東京農工大学繊維工学部に入学するが、八代目桂文楽に魅せられて大学を中退し、’61年内弟子として入門。桂小勇を名乗る。’65年二つ目に昇進。’71年師匠桂文楽死去に伴い五代目柳家小さん一門に。’73年第2回NHK新人落語コンクール最優秀賞受賞。’75年真打昇進で三代目柳家小満ん襲名。隔月の独演会「柳家小満んの会」は30年以上継続中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mawaji
2
黒門町より贈っていただいた一冊。昭和初期まで修身の本に載っていたという塩原多助一代記、浅学にして知らなかったのですが立身出世の人情話を当時の時代背景を反映した川柳を交えて「読み解く」という表題通りの丁寧な解説付きで面白く読みました。「青の別れ」のくだりは子どもの頃にテレビのお芝居かなにかで見たことあるなーと読み終わってから俄に思い出した次第。樽屋の久八っつあんが多助とお花のあいだをとりもつやりとりはいかにも落語っていう感じで笑えました。沈魚落雁閉月羞花。高校時代に読んだ興津要「古典落語」を思い出しました。2014/03/21
junichi2216
2
塩原多助は、故郷を追われるように江戸に出てくる。炭屋の主人に拾われ、奉公をするようになる。そこから裸一貫、商売をしながら人のためになる知恵で、出世していく。美しいおかみさんも持つことになる。言わば商人のスーパーマンである。途中に江戸の下町の話が入っていて、それも面白い。2013/09/21
6だ
1
明治期に三遊亭圓朝により創作され、修身の教科書に採用されたり御前口演までされた「塩原多助」。今や古典ともなった噺を現代の落語家(それも柳家)が、用語や当時の風俗などについての判りやすい解説を交えて書籍化。 志ん生の音源などで聴き馴染んでる身としてはできればCDブックかDVDブックみたいな形で出して欲しかった気もするけれども、速記による発表で人気を博した作品でもあるわけで、粗筋を読み下しながら解説を挟みこんでいくこの形式が落語の判り難さを解消して「読む落語」の復興に繋がってくれると嬉しい。2013/10/02
qoop
1
スッキリしつつふくよかな語り口を写した本文の合間に、師のマクラを繙いたかのような余談(という名の解説)が挿まれる。この余談、噺を立体的に愉しむためのエッセンスとして効果的。師が噺を膨らませる際の素材が披露されているという印象で、興味深く読んだ。副題に〈落語で愉しむ江戸の暮らし〉とあるが、上州出身の「多助」に材を取った点が何だか面白い。2013/08/21
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