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内容説明
「あの世」「妖怪」「占い」をキーワードに、私たちの生活の中に潜む「異界」を考察する。遺影はどのようにして登場したのか、鬼門とは何か、日本と韓国の都市伝説の比較、思慕から生まれた死者との対話、異界・妖怪の起源を探る京極夏彦氏と小松和彦氏の対談他。「異界」の持つ不思議な力と、人々が生きていくための拠り所としてきた歴史が垣間見えてくる。
目次
第1章 異界万華鏡―「あの世」今昔(妖怪絵巻と民間説話―「土佐お化け草紙」の民俗的背景;亡き人を想う―遺影の誕生;韓国の都市伝説;音の想像力と異界)
第2章 異界談義―想像力が生み出した「妖怪」文化(描かれた妖怪;異界をめぐる想像力;共有財産としての妖怪)
第3章 死人に口あり―民俗宗教における死者との対話(非業の死と近代;イタコと口寄せ;死者との対話と民間巫者)
第4章 「おに」の来ない鬼門―風水をめぐる異界観(鬼門と北東の関係;鬼門鎮護と「鬼」の意味;中国における風水と鬼門)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
14
妖怪、怪奇現象は人間そのものの鏡といえる。位牌中心の世界から御影へ移り変わる過程を考察した内容が特に面白かった。2017/11/20
F
10
生活の中に潜む「異界」について、怪異のオーソリティー 京極夏彦氏と小松和彦氏らが語り合う。国立歴史民俗博物館で行われた企画展「異界万華鏡-あの世・妖怪・占い」のテーマに合わせて開催されたシンポジウムや研究成果をまとめた一冊。怪異・妖怪・異界にあたる最新の切り口を垣間見ることができる。一般向けに書かれたものなので入門にはうってつけ。2011/08/03
みやぎ
1
あの世、妖怪、占いをテーマに、異界について語る。遺影や風水などの歴史、成り立ちなど初めて知ることが多く、興味深い。2015/05/06
三柴ゆよし
1
一般向けの企画展示が基になっているので敷居は低い。妖怪絵巻「土佐お化け草紙」と民間説話の関係について論じた常光徹先生の小論、および山田慎也氏による「遺影」の研究が興味深い。余談ですが、近いうちにまた歴博で妖怪関係の展示が催される予定です。興味のある方はチェックを怠りなく。2010/06/14
メーテル/草津仁秋斗
0
「あの世」「妖怪」「占い」をキーワードに、様々な人物が民俗学的視点から「異界」について考察した本。書き手も豪華だし、内容も良い。一つ一つがそんなに長くないのがありがたい。2015/08/12