- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 雑学文庫
- > 光文社 知恵の森文庫
内容説明
既成概念や社会通念に抗いそれらを打ち破った、纏足と対極に位置する中国史のスーパーヒロインたち。伝説の美女、低い出身階層から成り上がったトップレディ、侠女の系譜、『金瓶梅』の悪女たち、王朝という制度自体を破壊した西太后。抑圧されていたからこそ国を滅ぼすほどのパワーを持って生き抜いた、女性のための中国史の醍醐味がここにある。
目次
第1章 伝説の美女―西施
第2章 女たちの漢王朝
第3章 貴族の娘―謝道蘊
第4章 北朝の女たち―独孤皇后から則天武后へ
第5章 悲劇の女詩人
第6章 纏足とスーパーヒロイン
第7章 侠女の系譜
第8章 悪女の系譜
第9章 柳如是―明末のパトス
第10章 夢と鏡の物語―逆転の世界
終章 破壊の女神―西太后
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年、富山県生まれ。京都大学文学部卒業。同大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター教授。専攻、中国文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
21
☆4 著名な則天武后や西太后は言うに及ばずそのほかの女性たちもインパクト強すぎ。悪い意味でもそうじゃなくても。その場の感情で一族郎党皆殺しって…中国…。元ネタでは『鏡花縁』が断然気になる。『ガリバー旅行記』風味なんだって。現物は見たことないけど(※ググる勇気なし)なんてグロテスクなんだ纏足。2021/11/16
ハルバル
10
むかーし中国史にハマりかけたことがあってその時に買ってずーと積ん読していたものを今更読む。中国史って王朝が興ったと思うと内乱で滅茶苦茶になっては何百年も戦乱が続いてようやく治まったと思ったら異民族に侵入されて滅んで、その異民族も…って繰り返しが無限ループのようで途中で飽きちゃったんだよなぁ。特に漢帝国が滅亡後の東晋、西晋、その後の六朝は代替わりが多過ぎてとても頭に入らない。そんな中国史を彩った女達を史実と虚構両方から紹介。物語の孤高の女刺客、侠女達が腕一本で男と渡り合い、無名のまま消えていくのが好きだな。2019/06/23
明智紫苑
3
再読。井波先生は文庫版あとがきで西施を実在人物カテゴリーに入れているけど、架空人物説もあるよね? やはり、この人の代わりに夏姫を取り上げた方がより一層春秋時代の「らしさ」を示す記事になったのではないかと思うが、西施に比べてイメージが悪過ぎるか、さもなくば主体性がなさ過ぎるか。悪女が「悪女」たり得る必要最低限の条件は「自分の意思」だから、意思薄弱な印象のある夏姫は井波氏にとっては魅力がない人かもしれないね。2016/07/21
さけフレーク
3
途中で横文字が脈絡無く出てくるのが気に入らなかった2012/06/14
DEN2RO
2
印象に残ったのは女帝たちの肖像ではなく、社会や時代と対立し劇的な生涯を送った女性たちの姿です。中でも明末の柳如是は、帝国が衰えて滅びていく中、恋にも詩にも政治にもすべての生命力を挙げて取り組んで生き抜きました。全篇の中の白眉です。2014/09/06