- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 雑学文庫
- > 光文社 知恵の森文庫
内容説明
博多の屋台で見つけた“餃子巻き”がきっかけだった。おでんにハマッてしまった「僕」は原付バイクで日本全国のおでんを食べる旅に出た。北海道を皮切りにマフラー・ニオサクといったおでん種を見つけ、食のルーツと境界線に思いをはせる。そして、海を渡り、韓国・台湾へ…。情熱と好奇心を「とことん」駆使した、106日間の旅の記録。
目次
北国のマフラー揚げ
豆腐田楽の境界線
江戸おでんの衰退
駿河の料理人・半平
豆味噌文化圏
関東煮の始まり
からし味噌の空白地帯
戦後ヤミ市の味
だし文化の伝播
南下する餃子巻き
高雄の黒輪、基隆の天婦羅
豚足とソーセージの歴史
おでんの道標
著者等紹介
新井由己[アライヨシミ]
1965年、神奈川県藤沢市生まれ。’91年からアウトドア雑誌などで文章を書き始める。’93年から2年間、タクシー運転手。’97年「芝居小屋から飛び出した人形師」で「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選。’99年、『とことんおでん紀行』にて作家デビュー。「とことん」な旅の姿勢が各界から賞賛を呼ぶ。農業実践のために新潟県松之山町に移住。その後、おでんをはじめ、食と旅をテーマにした執筆・撮影を続けている。Web「おでん博物館」館長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
1
おでんを求めて日本全国はもちろん,更には諸外国にまで回ってきてそれぞれの地域でのおでんはどのようなものなのかをまとめた作品.好きなものであるからこそ,一体どのような変遷をたどっているのかを想定するのは面白いものとなる.2011/09/07
鬼喜來のさっと
0
コンビニがまだなかった子供の頃、おでんと言えば串に刺さった味噌煮の白蒟蒻が売っていた。当時は煮しめとおでんとの違いが解らず、おでんと言えば、マンガやテレビで見る赤提灯の屋台のイメージで、母親の料理であるおでんの素で作られた煮込みは砂糖が入っていて甘く、『ミスター味っ子』や『美味しんぼ』の本格的な辛口のおでんを常々食べてみたいと思っていたものだが、本書を読んで、そもそも東北地域には、おでん文化なるものが存在しないことを知り納得した。東北の蒟蒻が黒ではなくて白いのも、多分同じ理由に縁るものであろう…。