内容説明
貧乏極まり行き場を失くした小磯は、学生課で寮費千三百円という怪しげな「富穣寮」を紹介される。大学キャンパスの奥の奥。そこでは、変人の寮生たちが奇妙な自給生活を繰り広げていた。しかも部屋には、夜な夜なヨリコさんという「血まみれの女」が現れるという。ヨリコさんの正体を解き明かそうとする小磯は、やがて世界の存続をかけた戦いに巻き込まれていく!
著者等紹介
似鳥鶏[ニタドリケイ]
1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で鮎川哲也賞に佳作入選し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
259
こっ、これは流石に人類には早過ぎるのでは無いだろうか。少なくともね、他の似鳥鶏作品を読んで世界観の理解並びに耐性を作っておかないと、付いて行くことは難しいのではなかろうか。と。似鳥作品にも何作か触れて、最初の方は「また似鳥さんやってんな」って思った程度だったんですけれども。話が進めば進む程カオスな世界へと変貌して行き、儂は一体何を読まされているのかと。戸惑いを隠す事は出来ないよ(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)。少し落ち着いた今思うに、強烈な個性は癖になるのかも。ブルーチーズもといパンツダケ(キノコ)の様に。2025/04/14
おかむー
82
表紙とあらすじからわちゃわちゃ乱雑な青春学園モノと思ってかかると騙される(いい意味か悪い意味かは読み手次第)ジャンル分けの難しい作品。『よくできました』。大学の辺境の怪しげな寮に転がり込んだ主人公・小磯。変人揃いの住人に加えて現れる「ヨリコさん」と呼ばれる血まみれの女。うる星やつら的なゴチャゴチャコメディかと思いきや、ヨリコさんの秘密が世界を揺るがす大事件へと繋がり、後半ではサイケでグロなホラーになるが登場人物のキャラが緊張感を和らげてくれるので鬱にならないバランスが秀逸。変化球な一冊としてオススメですよ2019/10/13
mihya
65
市立高校シリーズのあとがきに依子さんが出てこなくなったので、これを読むしかない!と張り切って読んだんだが、この依子さんは天井から降りてきたりしない依子さんだった。 ジャンル分けできないエンターテイメント小説だが、笑いは少なめに感じた。期待のハードルが上がり過ぎてたかもしれない。まあ面白くはあったが…。何よりあとがきが比較的まともであることが一番の驚きだった。 「コミュ障探偵の…」あとがきの『音の引力係数』でいくと『マフトンジ』は『マウントフジ』だな。正しい名前になかなか慣れなかった。2022/12/10
papako
61
結構読んでるこの作家の作品の中でも、皆さんのレビューが微妙な作品。単行本の頃から悩んでやっと読みました。結果私は好きですね、この作品。ま、不条理というか結末はあってないようなものなので、似鳥節を楽しむ作品です。基本、作者の動物園シリーズの配役違いって感じで進む。そして大学の寮のなんとも言えない雰囲気が楽しい。大きい隣人とか亀虫とか眼部屋とかカビとか四神池とか、想像すると『依子さん』よりも『富穰寮』の方が断然怖い!そりゃなんでもないよって思えるわ。そしてまともなあとがきにびっくり。うん、楽しかった。2022/02/26
hirune
55
みんなビンボが悪いんや的な理由で苦学生小磯が辿り着いたのは自然採取で生活する難民キャンプのようなボロい学生寮だった。しかも血塗れの女の幽霊が出る超常現象付き😱しかし寮の(ほぼ変態揃いの)仲間と科学的な検証を始めた矢先、超常現象が世界中に蔓延していきパニック映画みたいな展開に!血塗れの女の幻覚はどんどんバージョンアップしてパニックは恐ろしいスピードで蔓延していく…あれ?今のコロナが蔓延っていく現状のようじゃない?😅結末もwithコロナの未来を迎える現実のように、withヨリコさんの世界になるらしい〜★2021/10/09
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