出版社内容情報
松本清張[マツモト セイチョウ]
著・文・その他
内容説明
設計士の板垣貞夫は地元の有志から、石見銀山跡を観光地にしたいと、設計の構想、工費の見積もりの依頼を受ける。その踏査の拠点となる湯治宿には、矢部と名乗る先客がいた。そして、観光中に見かけて気にかかった一人の女性も宿泊客としてやって来る。矢部は本名を谷原泰夫といい、自殺場所を求めてこの宿にやってきたのだが、金儲けの方法を思いつき…。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909年北九州市生まれ。給仕、印刷工などの職業を経て、朝日新聞西部本社に入社。懸賞小説に応募入選した「西郷札」が直木賞候補となり、’53年に「或る『小倉日記』伝」で芥川賞受賞。’58年に刊行された『点と線』は、推理小説界に「社会派」の新風を呼び、空前の松本清張ブームを招来した。ミステリーから、歴史時代小説、そして古代史、近現代史の論考など、その旺盛な執筆活動は多岐にわたり、生涯を第一線の作家として送った。’92年に死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ランラン
5
今まで読んだ流れと違い話が進むにつれて主人公が入れ替わり混乱しました。最後一気に話が佳境に入り点の話が線になった感じでした。2020/07/05
パチーノ
4
なかなか読み終えるのに時間を要した。前半、中盤、後半でガラッと変わるせいかも知れない。強引にぐいぐい引っ張っていく感じが力の衰えを感じるような。無理にヨーロッパを絡めずにシンプルにもっと簡潔に書いていたら良くなってたような。特に前半がクドくてなかなか進まなかった。ただ、後半になるにつれて読むスピードは増した。どうなるのかと思ったらかなりスケールの大きなものとなっていた。2020/12/24
富士山
3
3つの話が入れ替わり進行して最後はミステリになった。土木設計士が石見銀山の廃鉱道を観光利用するための踏査で現地に赴いた際に、宿で自称画家の男と数字狂の女と居合わせたこと。電力会社の高圧送電線が通る土地を買って、電力会社から補償費を取る商売を思いついたこと。地方の有力者が妻を殺して死体をどこかに隠していること。終盤動きがハゲしい。2019/08/12
お笑いループシュート
1
「主人公の谷原泰夫は事業に失敗したけど悪い人ではないから酷い目にはあって欲しくないけど、松本清張作品だから無理だろうなぁ……」とハラハラしながら読んでいたが案の定だった。 谷原が出版社経営時代の腹心の部下が薩摩出身だったり、女事務員がクラシック音楽好きだったりするのが伏線になっていた。2022/11/23
コマンドー者
1
最初は観光開発の話から、電力会社との土地売買詐欺の話になって、最後急にミステリーになるという新聞連載小説にありがちな、展開が散漫でダラダラ続く何とも全体としてはバランスが悪い仕上がり。数字狂の女性の絡みも強引というか。清張晩年の作品だけに、やや全盛期の作品には及ばずと言った平凡な出来。2020/03/29
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