出版社内容情報
ミステリー文学資料館[ミステリーブンガクシリョウカン]
編集
江戸川乱歩[エドガワ ランポ]
著・文・その他
伴野朗[トモノ ロウ]
著・文・その他
南條範夫[ナンジョウ ノリオ]
著・文・その他
戸板 康二[トイタ ヤスジ]
著・文・その他
太田忠司[オオタ タダシ]
著・文・その他
森村誠一[モリムラ セイイチ]
著・文・その他
大下 宇陀児[オオシタ ウダル]
著・文・その他
福永 武彦[フクナガ タケヒコ]
著・文・その他
日影 丈吉[ヒカゲ ジョウキチ]
著・文・その他
村山槐多[ムラヤマ カイタ]
イラスト
日下圭介[クサカ ケイスケ]
著・文・その他
土屋隆夫[ツチヤ タカオ]
著・文・その他
仁木悦子[ニキ エツコ]
著・文・その他
内容説明
純真で無垢な少年の姿は、大人の心を洗い清めてくれる―だが、誰しも少年だったころの昔日を思い返してみれば、他者への憎悪や妬み、邪悪で穢れた心の存在も否定できない。本書は美しくも危険な少年たちの光と闇をテーマにしたミステリーを集めたアンソロジー。かの江戸川乱歩が憧憬する村山槐多の画を巻頭に、推理文壇の名手たちの珠玉の傑作を厳選!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
66
少年を題材にした11編の短編+江戸川乱歩のエッセイ。典型的な「怖るべき子ども」、幼さによる記憶のあいまいさ、少年特有の潔癖さ、年上の女性への憧れなど、それぞれの話に少年の特徴が見事に描き出されていて面白い。また、少年美を守るためには殺してしまおうという一見芸術至上主義的なエゴをむき出しにした話も。ミステリではないが、村山槐多の絵に関する江戸川乱歩のエッセイもおもしろかった。2018/12/22
HANA
60
あの遠い夏の日、人生の一瞬の光芒である少年期を切り取ったアンソロジー。『少女ミステリー倶楽部』が神秘的な雰囲気を纏っていたのに対し、本作はいずれ失われるもの悲しさを含んだものが多いように感じられた。収録作中、白眉は日影丈吉「かむなぎうた」。何度も読んでいるにも関わらず乱歩言うところの少年の妖気といい文章といい、一文目からノスタルジアに満ちた世界に一気に引き込まれてしまう。「誰かが−父を」も「凧」も少年の日の煩悶を見事に描いているし。ノスタルジアに満ちたセピア色の世界を思い出す、いいアンソロジーでした。2019/03/08
ひなきち
23
読んでみたい作家さんが増えました♪まだまだ知らない名作が日本にはあるんだなぁ…。そんな作品を発掘して下さり、嬉しい限りです。あとは、感想一番乗りなのも、嬉しかったりして(*^^*)2018/11/25
bextar991
1
『魔少年』『美少年の死』『七歳の告白』『誘拐者たち』が好き。少年は少女と比べ、短い期間限定の神秘性を持つ気がする。声変わりして、体が筋張ってくればもう地に足がついたただの人間になってしまう。だからこそ少年の美しさは貴重だ。2020/08/30