出版社内容情報
知野みさき[チノ ミサキ]
著・文・その他
内容説明
池見屋から巾着絵の仕事を減らされ、律は焦りを覚えていた。そんな折、葉茶屋・青陽堂では、商品に古茶が混じったことで、得意客が離れる騒ぎが起こる。商売敵による差し金ではと若旦那の涼太は悔しさを滲ませるのだが…。職人としての誇りをかけた仕事に打ち込みながら、ゆくえ定まらぬ恋に心揺らす律。得意の似面絵が事件解決にも一役買う、人気シリーズ第四弾。
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。現在はバンクーバー在住、銀行の内部監査員を務める。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のり
84
青陽堂を襲った出来事で店は窮地に立つ。信用回復に一丸となり精を出す。そんな折に「涼太」に縁談が持ち込まれる。店の窮地を脱する為に話を受けるか煮え切らない態度だったが、ついに先方にも、女将の「佐和」にも…青陽堂の奉公人達も「律」押しなのが嬉しい。何とか道筋は出来たようだ。後は「香」の元に子宝が授かりますように…2018/12/23
天の川
43
青陽堂の信用が失墜する事件で二人の関係も又、不安定に…律の上絵師としての仕事も気もそぞろで、何だか涼太も律もちょっと勢いがなかった巻。仕事に厳しく、人にも厳しく、けれどその底には本当の愛情がある(相手に見せはしないのも粋だ)青陽堂の女将と池見屋の女将が何といっても魅力的。続きがあるなら、涼太と律の二人とももっと気概を見せてほしいなぁ。2019/02/12
kagetrasama-aoi(葵・橘)
42
「上絵師 律の似面絵帖」第四巻。今巻は親子関係の話に感じ入りました。弥吉の話、六太の話、凄く良かったです。そして、表題になっている “桜” やっぱり素敵です。折から桜の季節にこの話を読んだので、一入でした。律と涼太の仲は読んでいて焦れったいです。そして、お香、ハッキリ言って嫌いです。一番嫌な小姑ですよね。私の夫の妹そっくり(苦笑)。結婚してからも実家に入り浸り!お嫁さんとしてはホント勘弁して欲しいタイプですよね。結婚して四十数年経って、未だにそんなこと思う自分にもビックリですが(笑)。2023/04/07
真理そら
41
「まだるっこい涼太さんに気の長いお律さん」は確かにお似合い。でも、そういうことをはっきり言う綾乃さんのようなタイプが案外涼太の嫁には向いてるのかもと思ったり…。ヒロインの恋敵だけれど自分の気持ちに素直な綾乃は憎めないキャラ。律も涼太も仕事上の壁を一つ乗り越えて成長した巻だった。律は今回も着物を手掛けることが出来、父の残した作品を観ることが出来て今後の成長が楽しみだ。2018/07/11
はにこ
28
涼太にもお律にもイライラしつつあったけど、女将含め回りのみんなもそうだったのかもね。やっとすっきりした。お律は上絵師としてこれからもっと成長してほしい。古屋と六太、これからも文を通してお互いを見守ってあげてほしい。六太は本当に筋の通った子で格好良かったよ。2020/07/10