出版社内容情報
かつて牡丹堂を飛び出した職人が、牡丹堂のすぐ側に男が開いた見世は、すぐさま評判を呼び大行列ができるようになるのだが……
内容説明
生まれ故郷の村に帰った小萩は、姉の婚礼の祝い菓子を作る。江戸でもっともっと菓子作りを学びたい。あらためてその思いを強くする小萩だった。ようやく戻った牡丹堂に、ある日颯爽と現れた一人の男。かつて見世にいた腕利きの職人だという。その男が、思わぬ騒動を引き起こしてゆく―。おいしいお菓子と人々の情に心がほっこりする、好評シリーズ第二弾!
著者等紹介
中島久枝[ナカシマヒサエ]
フードライターとして全国のおいしいお店や素敵な人々をたずね、歴史や文化とともに新聞や雑誌に紹介。2013年、『日乃出が走る―浜風屋菓子話』でポプラ社小説新人賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
55
続けて読んだ牡丹堂シリーズ第2弾。一度は故郷に帰っていた小萩だが、どうしても菓子作りが忘れられずに再び江戸へ。「この仕事で生きていくんやと思えるんやったら不器用やろうが女子やろうが関係あらへん」と大店の主に言われた時小萩の覚悟は決まった。春夏秋冬、和菓子は様々な形、色、味で人々を魅了する。そのために家族、職人が一つになって菓子作りに取り組む姿が微笑ましい。たとえ、他所から横やりを入れられようとも矜持がある限り負けない菓子屋。小萩と伊佐との仲も気になるしまだまだ楽しみなシリーズ。あー、豆大福が食べたい!2018/04/24
はにこ
48
小萩の友達のお駒が嫌い。親友だと思っていたのにあんなこと言われたら私なら和解できない。何はともあれ江戸に戻ってきた小萩。伊佐の縁談や二十一屋にライバル店が出来たりと事件があった。小萩がなかなか想いを伝えないもどかしさや、幹太の落ち着きの無さにちょっとイラつきながらも読了。二人の成長も温かく見守ろう。勝代が今後出てきたら鬱陶しいな。。2020/09/01
ひさか
47
2018年1月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。初春祝い菓子は桃きんとん、陽春白吹雪饅頭の風雲児、初夏かすていらに心揺れ、盛夏決戦 ! 涼菓対決、の4つの連作短編。1話目の小萩が、なかなか江戸に戻らないので、やきもきした。牡丹堂での菓子修業に戻ったストーリーがやはり面白くて、楽しい。伊佐に対する小萩の様子を見ていると、まだ、幼いんだと思ってしまう。2020/11/17
kagetrasama-aoi(葵・橘)
42
「日本橋牡丹堂 菓子ばなし」第二巻。すぐに江戸に帰るのかと思いきや、姉の祝言や友人との喧嘩(?)etc.故郷の鎌倉での話が長くて、ちょっとヤキモキ!でも、小萩のお母さんのお時の話は良かったです。そして牡丹堂に帰って来て、無理矢理“菓子競べ”に巻き込まれます。競い相手として登場した鷹一、ここでお仕舞いでは惜しい人物でした。黒幕の勝代にはうんざりですが。でもまだ諦めないんでしょうね。先が気になります。 2021/09/21
らび
37
姉・お鶴の祝言を見届け祖父、父に再び日本橋に行かせてほしいと訴え念願かなって牡丹堂へ戻った小萩ですが、以前働いていた鷹一が突然現れ、近くで菓子屋を開く。日本中を修行して回った鷹一は元々腕は良い、そこへ珍しい菓子を売るものだからあっという間に評判になり牡丹堂の売り上げにも影響が出始める。しかし跡取りの幹太は鷹一の菓子に夢中の様子。作り方を教えるなど悪い人には見えないが・・。菓子対決、伊佐の婿入り話、心騒めく小萩。ちょっとずつ確かに成長してますね。2019/11/10