出版社内容情報
池袋署強行犯捜査係担当係長・姫川玲子。はたして本部復帰の日は?
内容説明
裏社会の人間が次々と惨殺された「ブルーマーダー事件」。その渦中で暴力団組長・皆藤が行方不明になっていた。組長の妻は、彼も巻き込まれたのではというのだが。(表題作)マンションの一室で男が合成麻薬による不審死を遂げた。近くでは、車と接触事故に遭った女性が、被害届も出さずにその場を去っていた―。(「女の敵」)ほか、姫川玲子が様々な貌を見せる全八編!
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年、東京都生まれ。学習院大学卒。2002年、『妖(あやかし)の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。’03年には、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
174
★★★★★★★☆☆☆新生姫川班が始動するシリーズ第7弾。姫川が女バイヤーに扮して卸問屋社長の自殺の真相を探る『アンダーカバー』やブルーマーダー事件で失踪した暴力団組長の行方を追う『インデックス』など、長編とは違った側面を見せる短編集。少し毒気が足りない気がするのはあの人が出てこないからか。比較的軽めの事件やエピソードが続く中、ラストの『夢の中』『闇の色』は本シリーズの特徴とも言うべき〝過酷な運命を背負わされた犯人の悲哀〟を色濃く感じさせる良作。できればこの話を犯人目線で重厚に描いた長編として読みたかった。2021/09/07
nobby
165
シリーズ長編のハードさに比べ、短編の何とソフトなことか!?しょうもないオチも大好き♬池袋署異動後の『ブルーマーダー』前後を描いた8篇。本部復帰はなるものの、姫川班再結成への道はなかなかに厳しい…今は亡き大塚への回顧はじめ知った名前が挙がるのを楽しむ一冊。お気に入りは玲子の原型が微笑ましい「彼女のいたカフェ」と現在が垣間見える「落としの玲子」。結局、重過ぎないのが好きなのかな(笑)連作となるラスト2篇で明かされた哀しい事実には、いつもながら憤りを覚えるばかり…最後の彼の登場は想定しながら、また分からぬ女心…2020/06/06
KAZOO
164
またまたやってしまいました。ハードカバーで前に読んでいるのに文庫版が出て再度読みました。内容は8つの短編が収められていて「ブルーマーダー」事件の前後の話などで主人公の性格などがよくわかります。また主人公を中心としたまわりのさまざまな人びとが一筋縄でいかない様子も面白いですよ。2017/08/31
tottokopiyo
157
久しぶりの姫川シリーズ。短編集ですがどの編も良かった。「彼女のいたカフェ」が特にいいです。2017/08/22
麦ちゃんの下僕
143
オーディオブック。8編の短編を収録した「姫川玲子」シリーズ第7作。池袋署にいる玲子が警視庁に戻って、新生“姫川班”が動き出す過程が描かれています。大胆な“潜入捜査”を行う「アンダーカヴァー」、大塚のことを回想する「女の敵」、カフェ店員から見た玲子を描く「彼女のいたカフェ」、玲子がある人物を“落とす”「落としの玲子」など、内容もバラエティに富んでいて飽きません。「インデックス」は前作『ブルーマーダー』の続編ですので、必ず前作を読んでおきましょう。「お裾分け」「夢の中/闇の色」の真相は何とも切ないですね。2023/10/22