出版社内容情報
知野みさき[チノ ミサキ]
内容説明
父の跡を継ぎ、上絵師として身を立てたい律だが、ままならず落ち込むことも多い。幼馴染みの涼太への想いも、深く胸に秘めるばかりだ。しかし副業の似面絵の評判は上々で、引きも切らず注文が舞い込んでいた。そんな折、母を殺めた辻斬りの似面絵そっくりな男に出会うのだが―。仕事に恋にひたむきに生きる女職人の姿を鮮やかに描く、待望のシリーズ第二弾。
著者等紹介
知野みさき[チノミサキ]
1972年生まれ、ミネソタ大学卒業。現在はバンクーバー在住、銀行の内部監査員を務める。2012年『鈴の神さま』でデビュー。同年『妖国の剣士』で第4回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
109
「香」じゃないけど、「律」と「涼太」の関係がまどろっこしくてイライラする。😄二人ともに仕事に精をだし、着実に成長しているが…特に池見屋の女将「類」に指針され認められつつある。両親の敵にも一区切り。亡くなった人は戻らないが、肩は軽くなったはず。弟の「慶太郎」の奉公で一人になった「律」だが、青陽堂の女将「佐和」は厳しくもあるが、嫁取りに関して一番に「律」を面に出さないが評価しているのではないか。時期が来れば…2018/11/21
takaC
70
ぬぬ。そこで終わりですか?ていうか仇討ちがメインテーマではなかったのね。2017/06/17
真理そら
41
律が百日紅の絵を描いてたから千日紅の簪を選んだのにお香のせいで団子花扱いに…でも、「なつかしさ」がポイントかな。母親の形見を組みあわせて精いっぱいおしゃれしたり、綾乃やお京の華やかさにくじけてしまう律が可愛い。佐和の態度は類と似ているので涼太との進展は障害はほとんどないし、敵も討ったし今後の展開はどうなるのだろう。上絵師としての律の成長がしっかり描かれている点が良い。基二郎とは友人以上にはならないかも。似面絵は律にとっては収入になるし、物語にとっては事件に絡ませることができるので今後も続けるのだろう。2017/12/19
kagetrasama-aoi(葵・橘)
37
「上絵師 律の似面絵帖」第二巻。律の上絵師としての奮闘が続きます。上絵師としてより 副業の“似面絵” 描きの方が収入になったりして、落ち込む姿に思わず応援したくなります。幼馴染の涼太との恋の行方も気になるところです。そうそう、私の大好きな都筑道夫氏は、御実家が紋章上絵師を生業とされてましたよね。未だにその職が連綿と続いていることに驚いた記憶があります。2023/04/03
moonlight
36
シリーズ二作目。上絵師の律が、本業の方で少しずつ認められていくが、似面絵の方も評判に。腕がいいんだろうなぁ。律が筆でさらさらと描くところを見てみたいものだ。作中の意匠や色の描写から美しい絵を想像しながら読んだ。 幼馴染との恋は焦った過ぎるほど。ゆっくりと続きを楽しみたい。2024/11/03