出版社内容情報
矢崎存美[ヤザキ アリミ]
内容説明
医師やナースの間で「胃がんなら、この人」と信頼される、消化器系内視鏡手術のエキスパートがいる。その名は山崎ぶたぶた。大きな病院に呼ばれては手術をする名医だが、その“見た目”から、たまに執刀を断られることもあるという。その理由は、いったい―?病院を舞台に巻き起こる、悲喜こもごもの四つのドラマ。おまけのショートショートもついてます。
著者等紹介
矢崎存美[ヤザキアリミ]
埼玉県出身。1985年、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞。’89年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
146
ぶたぶたその23。連作短編集。今回のぶたぶたさんは内視鏡手術の名医なんだけど手術を断られることも・・・。それが一番よく表れている優しい人が一番よかった。手術したことないけどぶたぶたさんが執刀するとなったらどうするだろう?2016/07/30
優希
122
面白かったです。今回のぶたぶたさんはお医者さん。以前もお医者さんの話がありましたが、そのときは動物病院だったのに対し、今回は人間を相手にする正真正銘の「医師」。内視鏡手術のエキスパートと言われようとも、見た目は可愛いぬいぐるみ。執刀をためらう人の気持ちも何となくわかります。いくらスーパードクターとはいえ、ぶたぶたさんですから看護婦も患者さんも混乱するのは当然ですよね。でもぶたぶたさんがお医者さんなら色々癒されそうな気もします。自分が患者の立場だったらどうするだろうとちょっと考えてしまいました。2016/08/01
りゅう☆
108
内視鏡腹腔鏡手術のエキスパートのぶたぶたさん。ガン告知されて不安な男性、初めてぶたぶたさんの助手を勤める看護師、以前ぶたぶたさんが手術する予定だったために悪い方向へ進んだと考えた女性、会いたくても丈夫だと会えないと気付いた老女。ぬいぐるみに手術を任せるなんて…と拒否されることもしばしば。でもケーキ好きな姿を見たり、繊細で丁寧で速い手術を実感したり、話してみると優しかったりと、ぶたぶたさんに近づくたびに信頼できるようになる。そういう過程を知るたびに心が温まる。私も手術をする時はぶたぶたさんにお願いしたいな。2019/04/29
冴子
104
内視鏡手術のエキスパートぶたぶたさん。ちょっとびっくりするけど、彼の話を聞けば、ゆったりした気持ちで手術を受けられる気がします。色んな患者さんがいますが、「優しい人」と「恋かもしれない」が好きです。2017/06/09
美登利
103
今回のぶたぶたさんはドクター!しかも内視鏡専門の外科医。ハードル高いなぁと思ったとおり、ぬいぐるみに拒否反応が出る人も多くて。そもそもファンタジーなので何でも有りなんだけれど、可愛いコックさんである場合は驚きはしても、ほのぼのするし癒やしの方が勝るけど、自分の命を預けるとなると当然の反応だよね。それはぶたぶたさんも承知のようでいつもより物語に深みが出てた気がします。健康である事が何よりの幸せ、でも病気になったとき信頼できる先生に出会えることって現実的にもなかなか難しいことだなと思います。2018/08/04