出版社内容情報
ひたむきに生きる京の人々を描く珠玉の6編。心惑わす美術品をめぐり、深く哀しい人間の業と欲を描いたシリーズ。
内容説明
佐七と彦次郎はお紀勢を争っていたが、彦次郎が行方不明となり、佐七とお紀勢が結婚する。ある日、二人に生まれた子の修平が誘拐され、すぐ戻ってくる事件が起きる。その日から夫婦の間に見えない亀裂が…(表題作)。欲に流される者、人生を立て直そうと必死にあがく者。心根を惑わす骨董品をめぐり、深く哀しい人間の“業”を静謐に味わい深く描く、珠玉の短編集。
著者等紹介
澤田ふじ子[サワダフジコ]
愛知県生まれ。愛知県立女子大学(現・愛知県立大学)卒業。1973年作家デビュー。『陸奥甲冑記』『寂野』で第3回吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Smileえっちゃん
43
以前に読んだ本。京都市井を舞台にした人情もの。6作からなる短編集。欲に流される者、人生をやり直そうと必死にあがく者。心惑わす骨董品をめぐり悲しい人間の゙業を味わい深く描かれています。短編ながら心温まるお話です。中で「来迎図焼亡」「四年目の゙壺」が心に残ります。2024/05/18
GX
5
好きだっのは、「因果な茶杓」、「四年目の壺」。時代劇の形をしたファンタジー、おとぎ話。嫌なことには、事欠かない毎日、すてきな、ホッコリするお話しがたくさん詰まっています。良かったです。2022/12/06
十六夜
1
市井の人々の暮らしぶりを丁寧に描いて秀逸。京都市民としては物語の内容以外にもたくさんの発見があり楽しく読めた。2016/10/08