出版社内容情報
意表をつくトリックが見事な、江戸情緒あふれる時代推理小説傑作集!
内容説明
貧しい御家人の次男坊の善吉に、願ってもない婿養子の口が舞い込んだ。相手は黒門町の馬具屋で、蔵には千両箱が唸っているという。娘の器量も申し分なく、あっさりと二本差しを捨てて町人に鞍替えした善吉だったが、家中にはどろどろの男女男係が渦巻き、果たは刃傷沙汰まで…。作者の小説巧者ぶりを存分に発揮した諧謔と機知溢れる表題作をはじめ全七編収録。
著者等紹介
多岐川恭[タキガワキョウ]
1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。銀行、新聞社勤務を経て、作家デビュー。’58年『濡れた心』で江戸川乱歩賞、『落ちる』で直木賞を受賞。’89年には紫綬褒章を受章。’94年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドナルド@灯れ松明の火
13
多岐川さん初読みだったが、なかなか上手いなぁ。ストーリーもいいし、思わぬどんでん返しもあるし、楽しく読み終えることができた。お薦め2019/04/19
タツ フカガワ
6
捕物帳仕立ての短編7話。なかでも面白かったのは「宿場の大盗」。日光街道沿いの小さな宿場の旅籠に江戸から岡っ引がやってきて、この旅籠に江戸を騒がせた大盗賊がいるという。宿には9人の客が泊まっていた。そこで始まる犯人探し……見事にだまされました。2018/06/10
めにい
4
意外な結末が待っている短編集。最終話だけは面白さがわからなかった。2016/04/19
Norippesun
2
40年以上も前に書かれた話。 中篇7作は 関連が無く、描き過ぎない上手さは大したものです。出てくる女性はおじさん好み?の色っぽいばかりで… 其れは、面白いんですか?2016/05/06
カルロ・イータン
1
ポンポンポンと江戸弁の会話が小気味よく運ぶ。そのリズムがいい。上質の落語を聞いているようだ。短編集だが、どれも起承転結がしっかりしており、味わい深い。長編も読みたくなりました。2016/06/05
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- 和書
- 金井雄二詩集 現代詩文庫