内容説明
定廻り同心の一人息子、小西小十郎は、思いがけず十九歳で同心見習となった。控え部屋での同僚の茶の給仕から始め、町火消人足改の下役を拝命。努力と失敗を繰り返しながら認められ、やがて天下を揺るがす大事件に直面する。相次ぐ天災に、大塩の乱、天保の改革。波乱に満ちた江戸後期を清廉に生きた同心の生涯を瑞々しく描く。時代小説界の巨星が遺した傑作長編。
著者等紹介
村上元三[ムラカミゲンゾウ]
1910年生まれ。’34年、「サンデー毎日」に応募した『利根の川霧』が選外佳作となり、作家生活に入る。’41年、『上総風土記』で第12回直木賞を受賞。長年にわたり直木賞の選考委員も務める。2006年逝去。享年96(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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