内容説明
「こんなはずじゃなかった」との戦いだ―。恋や仕事、そして結婚に精一杯な“彼女”たちが、ふとした瞬間につまずく虚栄。それはいつかの、あるいはこれから出会う、あなたの姿かもしれない。泣きながら、それでも明日に向かう人々を、巧みに描き込んだ色とりどりの物語。アンソロジー等に掲載された貴重な中短編を、特別な装いで一冊にまとめて贈る、極上の傑作集。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955年金沢市生まれ。銀行勤務などを経て、’84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞しデビュー。2002年『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆ゆう☆
99
恋愛モノの中短編集。ハッピーエンドではない話も、前向きになれたり考えさせられたり。短いながらも一つ一つの話が読み応えがある作品が多い。短編集はどうしても物足りなさを感じることが多いが、これは満足。仕事、恋愛、結婚…人生というものに悩みはじめると、「こんなはずじゃなかった」と多感になってしまうのが20代30代。共感できてしまう部分が殆どだが、それでもまだ色々な価値観があることに気づかされる。まさに恋愛は後悔の連続だと思う。アレもコレも彼女たちみたいに未来へのステップになれば良いのだけど…。(iBooks)2014/10/15
mayu
56
遥か昔に持っていた感情…仕事や恋、結婚に虚栄心や自惚れ虚しさを抱いていたあの頃に共感して懐かしさを覚えた。とても読みやすかったです。2019/09/15
ミーコ
49
久しぶりの唯川さん。「こんなはずじゃなかった」との戦い。そうそう❗と思いながら読んだり・・・。中短編集ですが 面白かったです。「婚前」は読むにしたがって ゾワゾワ なんなんだろう この二人は!とある種 ホラーの様なゾクリ感が有りました。「明日までの距離」はオチに え~っ となりました。1番好きだったのは「手のひらの雪のように」で、幸せが待っている終わりが良かったです。2017/04/04
カピバラ
48
こんなはずじゃなかった…という言葉はいつも女性に付きまとうと思う。完全に満足して生きている人(特に女性)なんてたぶん一握りだろうから。人生の、あの時に戻れたらな~なんて思うのはしょうがないことだけど、そんなことを言っていてもしょうがないので、前を向くしかありません。物語は、虚栄を抱えた女性たちが主人公で、あるあるなこともたくさん出てきて、打ちひしがれることも(笑)ありの~ままで~♪生きていけたら幸せなんでしょうね…。結婚を前にビデオテープに翻弄されるカップルの話が、唯川恵版、星新一みたいで面白かったです。2014/07/02
のんすけ
47
表紙に惹かれて購入。共感する話が多かった。本紙の所々に入っている挿絵のようなイラストも、なんだかウキウキして楽しかった。最後の「あしたまでの距離」が一番好き。私もやりたい仕事は今、生活のために我慢している。でも自分で我慢と言い訳して動かないだけなのかもとも思った。2014/06/03