内容説明
二〇一一年三月一一日、日本に激震が走った。新聞連載時、芸術評が主だったコラムは、「その日」から、社会への発言に重心を移した。震災から二年以上を経たが、復興は進まず、原発事故も収束の見通しが立たない。迷走する現代日本の未来のために。作家・赤川次郎からの提言。
目次
第1部 あの日まで(触れなければならない「体験」;私には不可解な演出;映画に見たいプロのわざ;歌舞伎座熱演にあふれる思い ほか)
第2部 その日から(被災者支える精神活動を;安全なホールに再生を;楽しみと勇気与える娯楽;来日取りやめ深刻 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
119
朝日新聞夕刊「三毛猫ホームズと芸術三昧」毎週随筆連載。2011年3月11の前と後とで論調が変わる。津波と原子力発電所事故に関連した意見を直球で書いている。昔日本機械学会で働いていた頃の事を紹介。狭い専門に捕らわれた学術団体の非力。政治、新聞に対する批判も。単なるガス抜きに終わらないことを期待。2014/06/03
百太
23
興味の無いものが、興味の無いままで飛ばし読みしてしまう・・・。 あの日からの随筆についても、同様で・・・自分に読書力が無いからなのかと、ちょっと心配になってしまうほど後に残らない本でした。 2018/03/05
いなろく
5
新聞連載された、オペラ、観劇、コンサート、映画などの芸術評。それだけならばいつもの氏の趣味満開コラムだが、連載中に東日本大震災が起こり、そのタイミングで連載を持っている意味を考えるとどうしても黙っていられなかった。震災以後コラムの内容が変わる。芸術評はしながらも、社会への発言に重点をシフトしていく。迷走する日本の未来のために、作家・赤川次郎からの提言。2014/02/28
arisaka
3
舞台芸術に造詣の深い氏によるエッセイ。演劇話は面白く読めたが、オペラと交響楽団話は……やはり興味がないものは辛い。震災後、いきなり脱原発に目覚めるのはいいけど、反対派すべて善!というのはどうかと。2014/02/21
オツエンタ
3
舞台、音楽、社会までに渡るエッセイ。赤川次郎さんらしい風刺が効いたもの。その中身は、とても読みやすく、説得力に満ちたものばかりです。 この世の全てのことに「ちょっとおかしいんじゃない?」という視点が大事だと思った。2013/12/15
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