内容説明
坂本純平は気のいい下っ端やくざ。喧嘩っ早いが、女に甘くて男前。歌舞伎町ではちょっとした人気者だ。そんな彼が、対立する組の幹部の命を獲ってこいと命じられた。気負い立つ純平だが、それを女に洩らしたことから、ネット上には忠告や冷やかし、声援が飛び交って…。決行まで三日。様々な出会いと別れの末に、純平が選ぶ運命は?一気読み必至の青春小説!
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライター、構成作家を経て、’97年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で第4回大藪春彦賞を受賞。’04年『空中ブランコ』で第131回直木賞を受賞。’07年『家日和』で第20回柴田錬三郎賞を受賞。’09年『オリンピックの身代金』で第43回吉川英治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
166
歌舞伎町のやくざの部屋住みである純平。21才の彼は組長から対立組織の幹部を撃つように言われる。純平は命令を受け、決行までの3日間を過ごす。無知ゆえに組に利用されるだけかと逡巡する。廻っていない寿司屋に入れないなど、21才のまだ少年とも言える青臭さが描かれる。決行の時刻を迎えた純平の取った行動。良く言えば読者の想像に後を委ねたラスト。はっきり言えば尻切れとんぼではなかろうか。純平の行動後が描かれる次作があれば、まだ納得感がある。初期の村上龍作品を現代風に、かつポップに焼き直した印象しか残らない。少し残念。2018/08/26
AICHAN
157
図書館本。下つぱヤクザの純平は鉄砲玉になった。親分から3日の猶予をもらって豪遊。知り合った女とやりまくり、鉄砲玉になったことを打ち明ける。女がネットの掲示板に純平の経緯を書き込んだことから…。いやあ、マジで面白かった。一気読み。終わり方がイマイチだったけど、奥田節、堪能させてもらいました。2019/02/24
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133
🌟🌟🌟🌟🌟。映画鑑賞後に読了。初奥田英朗作品。面白ようにサクサク読めた。遅読の俺が二日で読み終えた。なんだろう、コレ。自然過ぎて「面白い、つまんない」を越えて本当にいる人達の話を辿っているように感じた。純平は、本当にもったいない選択をしている。歌舞伎町のみんなから慕われ可愛がられているのは天性の才能で俺なんか純平が物凄く羨ましく思えた。クライマックスは「さらば宇宙戦艦ヤマト」のラストを彷彿とさせる。変にハッピーエンドにせず最後は読者の想像に任せるラストシーンもとても良かった。2018/10/25
スエ
122
まず、この表紙が良い。何かを思い詰めた表情に、一世風靡セピアを思わせるオールバック(ソイヤッ)はギバちゃん似だ。そして、このスカジャン。虎と龍の刺繍が実に素敵だ。スエも昨年末、お花の刺繍が入ったスカジャンを買った。少し派手かしら? イヤ、これを着たときの開放感ったらナイナイナイ〜🎶恋じゃ…(しつこいッ)ロンバケ…じゃ無かった(セナ〜!)ロンスカと合わせると粋でねェ、コリャ。ついでにロンドンブーツなんか履いちゃったりして!あはは!!…え〜。これほどタイトルに忠実な作品はなかなかナイナイナイ〜🎶 恋じゃ…2022/01/18
H!deking
116
歌舞伎町の下っ端ヤクザの純平くん。親分から鉄砲玉を命じられ、決行までの三日間のお話。いやこれめちゃくちゃ面白かった。脇役キャラもみんな良かったですね。これ映画化されてるので観てみたいと思います。今まで読んだ奥田さんの小説の中では個人的に結構上位かな。ラストも好みでした!2019/06/23