内容説明
将軍家毒味役を務める矢背蔵人介は、ある日、隠密らしき者から連判状を預かる。そこには大塩平八郎という名が記されていた。以降、蔵人介の周囲では異変が続発。浮かび上がってきたのは、貧しき者を救うため公儀に牙を剥こうとする勢力だった。幕臣随一の遣い手、蔵人介は「謀叛」に巻き込まれるのか。そして、その結末は―。大爆発シリーズ、渇望の第八弾登場。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸しだす筆致の時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
今回は長編ではなく、三つの短篇が収められています。遠山金四郎や柳生但馬、大塩平八郎などの有名人が登場します。また主人公の義母の若いころの様子も語られます。しかしながら江戸城内にはここにいるような悪人ばかりが多かったのでしょうかね。長期にわたった将軍家斉の時代も終息し家慶の時代になります。この将軍も酒ばかり飲んで政治を顧みなかったようです。2024/06/17
はつばあば
60
皺は人生の重みを表すものと、顔のシワも腹のシワも愛でてきたが・・こやつらの皺腹は自分で掻っ切る事も出来ず首を落としてもらわねばならん悪役ばかり。しかし・・人は役目とは云え上役を選べぬ。だんだんと悪辣さが増してきたのは「貧すりゃ鈍する」ということか。八瀬の血をひく志乃さんの気概は無鉄砲さにもつながるが、「血がたぎる怒り」は抑えようもない。蔵人介殿、そういう時は是非実父の見世「まんさく」に連れていってあげて下さいな2017/01/22
えみ
53
大塩平八郎が乱で世間を騒がせれば、遠山金四郎が千代田の城内で軽口を叩く。将軍家毒味役・矢背蔵人介の周りは今日も騒々しい。歴史上の有名人が登場する鬼役シリーズ第8弾は『覚悟』。タイトル通りに様々な覚悟のカタチを見せつけられて、愉快でもあり悲しくもあり嬉しくもある。密命が下れば、どんな相手でも斬らねばならぬか…。憂いある背中、忸怩たる思いを抱きながらも確実に任務を熟す蔵人介はやはり…強い。但し養母・志乃も負けてはいない。彼女のポテンシャルの高さは今後のシリーズにとってマンネリ化を防ぐ最良の起爆剤となりそうだ。2024/02/28
ベルるるる
26
大塩平八郎の乱が起きた。明治維新まで30年。2017/01/25
み
25
や〜、志乃さま危機一髪でした(@_@)遠山の金さん登場にニヤリ。お子さまの行く末が気になる書かれ方です、どうなるのかな?読み進めます。2017/03/22