内容説明
人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!?その日から、宏伸の日常がきらめき始める。ワクワクして胸にジンとくる、青春小説の新たな傑作。
著者等紹介
誉田哲也[ホンダテツヤ]
1969年、東京都生まれ。学習院大学卒。2002年、『妖(あやかし)の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞。’03年には、『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷう蔵
134
良い本だったぁ。誉田氏の描く青春モノはやはり良い。主人公は中学3年生、この年齢の設定も凄く意味があった気がする。心の揺れ動きや、行動力などなど、主人公を高校生にしてしまうと表現できなかったであろう事柄がいくつも感じられた。人は夢中になれるもの、心の拠り所を見つけると強くなれるという事。強くなれると人からも認めてもらえる。人間って結局それを見つけるために生きているってこと。学生時代にそれを見つけられたら本当に素敵だ。その先に自分の仕事を選べたりするんだから…。でも幾つになってもそれを追い求めてもイイよね。2018/05/23
のり
133
親友が転校して、宏伸(ノロブー)は自覚はないが失意感を撒き散らし、周りが心配する程だったが…写真部に在籍していた宏伸は、祖父のリサイクルショップで巨大で不思議なカメラに出会い魅了されていく。明るさを取り戻し、成長していく過程がほのぼのして良い。従姉のあっちゃんの個性が強烈過ぎるが和ましてくれる。部長の三好ちゃんも負けてはいない。モテ期?の中「セカチョー」企画は皆を笑顔にしてくれる最大イベントだった。2018/09/08
Shinji
113
良かったです!妄想族な私にとっちゃその写真を想像するだけで幸せ涙が出そうだったよ♪ とても懐かしい高揚感に包まれて読み終えました! 出だしは宏伸のツッコミの弱さに間延び感がありましたが、グレートマミヤとの出逢いからの期待感はページを追うごとに高まっていきましたね。 どんな写真が撮れるの!?次は何を撮るの!? という思いで読めたのが楽しかったです。一瞬を切り取るのが写真と思っていましたが、一瞬ではない笑顔も刻めるんだな! 前だけじゃなく、ぐるりと一回りしてみるのも良いかもね♪ 写真好きと妄想族におススメ!2016/11/11
りゅう☆
112
親友洋輔が転校した。どうも元気がないらしい写真部所属の宏伸。リサイクルショップを営むお祖父ちゃんと同居してる美人なのにやってることはオヤジという従姉のあっちゃんがいい。ある日グレート・マミヤというカメラに出会い、全生徒協力ので世界一長い写真を撮影することに。写真撮影時の高揚感がすごく伝わる。それができたのは、おとなしかった宏伸の成長の証。感動だけでなく、宏伸の心のツッコミともいえる声に笑った。特にあっちゃんとの見事なコンビの掛け合いは楽しかった。テンポよく読めるという点で誉田さんの作品は安定してますね。→2017/06/11
mocha
112
みんなでひとつのことをやり遂げる達成感。大人になるとなかなか味わえないけど、こうして本の中で疑似体験するだけでも清々しい気持ちになる。主人公の中3男子・宏伸に「しっかりしろよ!」と言いたくなるけど、周りを見ればこれくらい情けないのが普通だとも思える。夢中になれる何かに出会えたら、それはきっと世界を広げる窓になるんだね。肩の凝らない楽しい読書時間だった。2017/03/02