内容説明
将軍の毒味役を務める御膳奉行の矢背蔵人介に「裏御用」が下る。貨幣の改鋳で莫大な金を手にする外道を成敗せよ!しかし、奸臣と銭両替商は何者かに討たれ、蔵人介は「悪の手」に落ちる。次第に浮かび上がる大疑獄。幕臣随一の遣い手、蔵人介には絶体絶命の危機が訪れる。はたしてその先に見えたものは―。大反響の超一級シリーズ、待望の文庫書下ろし第七弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸しだす筆致の時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
86
今回も長編です。裏の仕事の命令により仕方なく主人公は人を切ります。幕府の財政ひっ迫で貨幣改鋳を行うのですが、それにともなって贋金を作り儲けようとする悪がいます。今回は主人公もかなりの危機に陥りますが、公方を守る人物などによって助けられたりして正義を貫きます。それにしても切れ味鋭い刃でありえないことが起きる気がします。2024/06/13
はつばあば
56
今回は御小姓組番頭がとうとう上役に。本業のお仕事は無く、刺客として悪党共の仕置きに振り回された格好だ。お家騒動が巻き起こす贋金作り。悪役も段々強くなってくるし唐人までがやって来る始末。幾ら主人公とは言え鬼役が刺客との噂、あちらこちらに知れ渡ってきているのが心配である。小次郎の今後の動静も気になる。大衆娯楽小説とはほんに頭を空っぽにして楽しめるものじゃのう(^^♪2017/01/21
えみ
50
今回は違う!いつもと違って矢背蔵人介が敵の後手後手に回ってしまっている…。それだけ敵が粘着質で強敵だったってことだろう。しかしこんなに悪にやり込められる蔵人介は初めてだ。将軍家毒味役の御膳奉行・蔵人介が「裏稼業」幕臣の不正を断つ暗殺御用の命を着実に実行する大活躍の鬼役シリーズ第7巻。今、この蔵人介がいたら日本の政治家皆斬られてしまうかも。と想像しながら彼の仕事を手に汗握りながら応援する。目をつけていた貨幣の改鋳で違法に儲けていた奸臣も両替商も先を越され討たれてしまった。一体何が起きている?もうドキドキだ。2024/02/21
み
24
さくさくと♪バッサバッサと成敗のタイトル通り。お家の方々の前でもバッサとなると、あちらのお役目もオープンになるのかな?2017/03/07
さく
18
信じずに止まるより、信じて立ち向かうほうがいい。蔵人介がゆるやかに、気迫を内に秘めて、死地に乗り込む。見送りをしてくれた家族のため、はかなくも強く生きて欲しいおせんのため、蔵人介の信じる正義のため。武士の厳しさを感じ、小次郎を見つめる。2021/08/21