内容説明
将軍の毒味役、鬼役の矢背蔵人介は、鈴振り谷で強盗に狙われた。難なく退治したあとに残された一枚の駕篭図。そして、一関藩の元藩士が殺害され、老中首座の水野出羽守は毒殺、中奥出入りの医師が斬られた。これらの線がつながったとき、幕府を巡る陰謀が明らかになる―。話題騒然の鬼役シリーズ、第六弾は待望の書下ろし。笑いと涙と爽快感の超一級時代小説。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸しだす筆致の時代小説を描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
88
今回は今までとは異なり、長編小説になっています。幕府の中枢の人物が暗殺されたりして金の絡んだ大きな陰謀が明らかになってきます。公方のお気に入りのにょうぼうの親族に絡むもので中尊寺が話題の中心になります。この題名の「間者」にもあるような人物たちが後半は中心となってきます。それにしてもこの主人公の強さは読んでいて安心感があります。2024/06/11
はつばあば
53
社長さんが至らぬとあちこちで悪が栄える。それも公の・・。いつの世も同じじゃねぇか、と悪態をつく。11代将軍家斉とお美代の方・・歴史が嫌いな人でも絶対覚えている碩翁と日啓。今の政治家や霞が関に天誅を下す者はいない。善悪不二でも・・社長の更迭にはならん。なぜか軽い言葉を吐く〇理の顔がのっぺらぼうに見える。ポストガールの3巻に移行する前に鬼役で「スカっ」としたかったが、未来から視た現在の社会はどう映るのだろう(過去の話の間に未来からの話を読んでいては頭の中が・・)。これからの鬼役に不穏な気配が(-_-;)。2017/01/21
えみ
47
剣を交えるシーン…息遣いが聞こえてきそうな緊張感と、何かが終わろうとしている微かな期待。命を懸けているのに笑みさえ浮かべられる余裕を見せる刹那。戦いの景色が見えるような描写力に毎回引き込まれている。将軍家毒味役・矢背蔵人介が大活躍をする鬼役シリーズ第六巻。毒殺、惨殺、撃殺、そして自害。その死は蔵人介に何をもたらすのか。一枚の駕籠図を拾ったことから、途轍もない幕府をめぐる陰謀に巻き込まれていく。一連の事件の黒幕は誰だ?公方の命を狙う輩が蔵人介の剣を止める?理由を知れば本当の闇が見えてくる。手に汗握る展開だ。2024/02/17
み
24
う〜ん、勧善懲悪でもなくなってきたような…。敵も強く大きくなって、この先どうなることやら。今作では登場しなかった居候さんは、どうなるやら。シリーズ読み進めます。2017/03/03
さく
16
間者として育てられた。仲の良い兄弟のように。役目を受け止め、戦う間者。正しき事がやるべき事か、蔵人介はそれでも助けたい一心で願う。派閥争いに巻き込まれる中、悲しくも戦う。蔵人介の活躍がますます光り、少しでも、民が住み良い世になればと。2021/08/09