内容説明
配下の所有する名刀「青江の太刀」に魅了された組頭・村田勘太夫は、立場を利用して無理に貸し出させる。だが返却を引き延ばすうちにどうしても手放せなくなり、ついに配下を手にかけてしまう(表題作)。武士が己の欲望や保身に走り汲々として生きる泰平の世に、理不尽に耐え、生き残ろうとあがく男たち。等身大の人間の、どこか滑稽で切ない姿を描く傑作短編集。
著者等紹介
好村兼一[ヨシムラケンイチ]
1949年東京生まれ。パリ在住。東京大学在学中に全日本剣道連盟学生指導員として渡仏。以後42年フランスで剣道指導に携わる。剣道は最高段位の八段。2007年に『侍の翼』で小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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