内容説明
―1925年、アラスカ。人口1400余りの極北の町ノームでジフテリアが発生。この忌わしい疫病の蔓延を防ぐためには、“血清”を入手するしかない。だが、厳寒の悪天候下、港は氷結し空からの救援もままならない。残された唯一の手段、それは、犬橇による血清運搬だった…。―“ノームの住民を絶滅から救え!”20人の男たちの熱い思いが、氷点下50度の氷原を疾走する。犬と人の感動ノンフィクション。文庫訳し下ろし。
目次
氷に閉ざされて
金、男たち、犬たち
大発生
隔離
犬橇レースへ
空飛ぶ機械
北方の猟師たち
四〇度の掟
ユーコン川を行く
お役所仕事
氷の工場
嵐の中の栄光
救出
著者等紹介
ソールズベリー,ゲイ[ソールズベリー,ゲイ][Salisbury,Gay]
ベーシック・ブックスの元共同発行人。アラスカのフェアバンクス、及びニューヨークに在住
ソールズベリー,レニー[ソールズベリー,レニー][Salisbury,Laney]
コロンビア・ジャーナリズム・スクール卒。アフリカ、中東、ニューヨークで取材活動を展開。ニューヨーク・ブルックリンで犬と暮らす
山本光伸[ヤマモトミツノブ]
1941年東京生まれ。国際基督教大学卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蘭奢待
45
約100年前、まだ犬ぞりが主要な移動手段だったアラスカ。冬季に入り雪に閉ざされた街でジフテリアが蔓延する。街には医者が一人。パンデミック、医療崩壊になる寸前に、マイナス50度の吹雪の中、血清をアメリカ本土から運ぶために犬ぞりのリレーチームが結成される。偶然にも新型コロナで世界が震撼しているまさにこの時に読んだこの作品は身につまされる。2020/04/15
Satoshi
3
アラスカのノームという極寒の町でジフテリアが流行し、血清をアンカレジから運ぶために極寒の中で犬ぞりリレーが実行された。ノンフィクションであるが、実にドラマティックな内容である。また、約半分をアラスカの歴史やエキスモー文化、犬ぞりの歴史について描かれており、非常に勉強になった。集落を救うためにマイナス50度の中でのマッシャーたちの強靭な意志と犬との関係には大きく感動させられる。ノンフィクションの傑作だと思う。2015/08/15
rincororin09
0
再読。こういう事実があったということはこの本を読んで初めて知りました。強い絆で結ばれたドライバーと犬たちのたくさんの熱いエピソードがよい!僕の荒れ地願望をしっかりと満たす本の一つ。2014/01/16
うろぽろ
0
この出来事を境目に、アラスカの犬ぞりの役割が飛行機に切り替わって行ったこと、実はバルトよりも凄かったトーゴ(東郷)という橇犬がいたこと、今年でちょうど100年目の節目であることなどを知る アイディタロットは3月に開催2025/02/20