内容説明
―24時間いっさい嘘はつかないと約束させられた男の、その結末は…「正直トマス」、不運はどこまでもついてまわる。1番にはけっしてなれない。それが彼の人生だった。とことん屈折した男の悲喜劇をシニカルに描く「次点の男」。―粗にして野であり、卑でもあるデブ警視ダルジール&パスコー、旋盤工あがりの黒人探偵シックススミスものなど13編を収録。本シリーズの掉尾を飾る、イギリスミステリー界の鬼才ヒルの傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネコベス
36
ダルジールものやシックススミス等バラエティに富んだ十三篇を収録した短編集。凝ったプロットにシニカルなユーモアを効かせ、硬軟取り混ぜた巧みな筆致と構成による質の高い作品が多く大満足の一冊。ダルジールとパスコーがブロンズ像の足跡の謎に挑む「雪はくぼんでいた」、サイコサスペンスの「精神科医の長いすに横たわって」、「見知らぬバスの乗客」、「自由競争」、「巷説」が特に面白かった。2020/05/05
アン
5
ユーモアいっぱい、でもシニカルな短編集。『見知らぬバスの乗客』が好み。2016/07/27
SEI
4
光文社刊、ミステリ短編巧者を一冊ずつ取り上げたシリーズ。そのトリが本書、レジナルド・ヒルである。 私は初ヒル当書だったので他の作がどうかは知らないが、収録されているものに限って言えばそこそこ面白いといったところ。よく見る類いのサスペンス物もあり、お手本のような捻りを見せることもあれば、表題作みたいな変な話を書くこともあり。 短編が好きなら読んで損はない。 ベストは正直トマスか次点の男。2017/11/08
himehikage
2
作者を追悼しながら読む。たくさんの素晴らしい作品をありがとう。2012/02/11
オイコラ
1
シックススミスものをもっと読んでみたくなった。いかにも「オチがあるぞ」って感じのものもあって、なんかあともうちょっと、という印象だけど、おもしろい。2014/09/29