内容説明
子供たちを守るため、すべてを捨てる決意を胸に、SIS(イギリス秘密情報局)局員、バーナード・サムソンは、何度も危地脱出の手を借りたプロの運び屋「スウェーデン人」と密かに接触。だが運び屋は、ハンマーでめった打ちされた無惨な死体となって発見される。やがてこの事件は、かつてのベルリン国境脱出劇の真相へと、直接つながってゆく…。訳稿じつに1万枚。最高最長のスパイ・ストーリー、いま感動の最終話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike_sugino
4
バーナード・サムソン・シリーズ全九作を自炊し読了。第一部は英SISのベルリン機関員としてサムソンが壁の西側から工作員を東側に送り込みハンドリングするする様を描いていたが、終盤では妻で局の上級職員でもあるフィオーナが東側に亡命するという事態に。第二部ではフィオーナの亡命は上層部だけが知る二重スパイの計略だったことが徐々に明らかとなり、彼女の救出作戦にサムソンも駆り出されなんとか成功する。第三部はフィオーナの脱出時巻き込まれて死亡した妹の死亡を巡る謎解きとなる。大河スパイ小説、読み応えがありました。2023/08/31