内容説明
結婚式当日の朝、花婿の親友で付添人を務めるはずのチャーリーが死体で発見された。長距離トラック運転手にしてはなぜか金回りがよく、鼻つまみ者だったチャーリー。だが、花婿のジャックにとっては、唯一無二の友だった。一方、病院では6週間前の交通事故で入院中のファンショー夫人がようやく昏睡状態を脱した。夫人が口を開くと、2つの事件は意外な方向へ展開して…。謎解きに見事な冴えをみせるとウェクスフォード・シリーズの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みみずく
8
ウェクスフオード警部シリーズ第4作。今回は、目にいれても痛くない末娘シーラと夫をうまく盛り立てている奥さんと警部の会話が書かれていて、家族の中での警部の姿が見られて興味深かった。娘を誉められるとうれしいが、異性として見ているのではと警戒したり…普通のお父さんだなぁ。肝心の事件の方も、やたら金回りのいいトラック運転手の撲殺事件と交通事故という一見無関係そうな事件がだんだん繋がっていく所は圧巻。それぞれの事件関係者たちのことも丁寧に描かれ、特に友を亡くしたジャックの悲しみは痛ましかった。2013/12/09