内容説明
世界各地を旅したミュンヒハウゼン男爵は、いかなる奇策で猛獣を退治し、敵軍に打撃を与え、英雄的な活躍をするに至ったのか。そして海中、地底、月世界をも股に掛ける冒険はいかに成し遂げられたのか。奇妙だが真実の体験が、彼自身の口から語られる!有名なドレの挿画も全点収録。
著者等紹介
ビュルガー,ゴットフリート・アウグスト[ビュルガー,ゴットフリートアウグスト] [B¨urger,Gottfried August]
1747‐1794。ドイツの詩人。理性よりも感情を重視する、いわゆる「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒涛)」の時代に活躍。1774年に発表したバラード「レノーレ」で詩人として名声を得る。文学雑誌の編集人や、ゲッティンゲン大学の講師を務め、ホメロスやシェイクスピアなどの翻訳も手がけた
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。和光大学教授。『犯罪』(シーラッハ)で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
103
おなじみ「ほら吹き男爵」の本家版。「ほら吹き男爵」伝承には①ドイツオリジナル②イギリスへの帰化ドイツ人ラスペ版(英語)③これらを集大成したビュルガー版(ドイツ)があるとのことだがG1000への登録は②ラスペ版(英語版)なのでKindle版で読んでみた。ところが③のビュルガー版が中身も豊富であることが判り結局これを読んだ。笑いの質がたわいなくも面白く、バッカバカシク久しぶりに「罪のない笑い」を心ゆくまで味わった。中でも、<狼の口に手を突っ込んで裏表ひっくり返した>ハナシが私的には最も気に入った。G1000。2023/06/25
優希
66
面白かったです。荒唐無稽ながらもドキドキし、引き込まれる冒険譚でした。ドレの挿絵も物語を盛り上げます。2020/07/08
サンタマリア
45
ファンタジー色強めの冒険譚。ドレの挿絵がちょっと怖かった。解説を読んで風刺的な一面や本書成立の背景を知る。ふむふむ。楽しい読書時間でした。2021/05/05
ビイーン
31
奇想天外で呆れるくらい壮大な物語は楽しくて想像力の限界に挑む感じがある。中でも「海洋冒険その5」とそれに続く「海洋冒険その6」がお気に入り。西遊記や桃太郎に似た面白さがあってとてもいい。またドレが描いた挿絵がたくさん収録されていて、この物語の面白さを倍増させる。ドレの挿絵は他にもダンテの「神曲」で見たことがあった。その独特な作風は何度見ても全く飽きない。2020/08/12
TomohikoYoshida
20
子供の頃に、どこかで読んだ「ほら吹き男爵の冒険」の新訳。ユーモラスな冒険譚にイチイチ、「そんなバカな?」とツッコミを入れつつ、楽しく読む。海底や地底、はたまた月へも行ってしまう男爵の冒険の旅は、楽しいばかりではなさそうだが、その語り口がとても楽しそうで、読者の私も楽しい気分で読んだのである。そして、沢山の挿絵がこれまた素晴しい。挿絵をじっくり見るのも楽しい時間だった。2020/07/26