内容説明
主権の所在をあえて問わない人民のための政治、いわゆる「民本主義」を唱導した吉野作造の代表作。当時の藩閥政治を批判し、国家の根本である憲法の本来的な意義を考察し、立憲政治の実現には国民一般の「智徳」が重要だと説く、「デモクラシー」入門書の元祖。待望の新訳!
目次
憲政とは何か
憲政をすみずみまで徹底させて、立派な成果をあげるとは、どういうことか
憲政の精神的な根底―民本主義
民本主義と民主主義のちがい
民本主義に対する誤解
民本主義の内容(一)―政治の目的
民本主義の内容(二)―政策の決定
代議政治
人民と議員との関係
議会と政府との関係
著者等紹介
吉野作造[ヨシノサクゾウ]
1878‐1933。政治学者。思想家。宮城県出身。海老名弾正らの説教を聞いたことを機に、キリスト教を信仰。その後、東大生時代には海老名主宰の雑誌『新人』の編集を補佐し、キリスト教社会主義者と交流する。大学では小野塚喜平次の影響を受ける。1909年に東大助教授に就任し、翌年から3年にわたって欧米に留学。帰国後の’16年、雑誌『中央公論』に「憲政の本義を説いて其有終の美を済すの途を論ず」を発表し、民本主義を主導。’32年には社会大衆党を結成し、顧問に就任。’33年逝去
山田博雄[ヤマダヒロオ]
新潟県生まれ。1995年、中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(政治学)。日本政治思想史専攻。中央大学、武蔵野大学ほかで非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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molysk
猫丸
このこねこ@年間500冊の乱読家
法学徒