光文社古典新訳文庫<br> ドルジェル伯の舞踏会

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光文社古典新訳文庫
ドルジェル伯の舞踏会

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334753993
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

内容説明

青年貴族のフランソワは、社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランソワはマオへの恋慕を抑えきれず…それぞれの体面の下で激しく揺れ動く心の動きを繊細に描きとった、至高の恋愛小説。

著者等紹介

ラディゲ,レーモン[ラディゲ,レーモン] [Radiguet,Raymond]
1903‐1923。フランスの詩人・小説家。風刺画家を父として、パリ郊外に生まれる。幼少期は成績優秀な生徒だったが、長じて、文学に傾倒。14歳で退学処分。退学後、詩人のジャコブやコクトーと出会い、処女長編小説の『肉体の悪魔』で文壇デビュー。ベストセラーとなる。1923年、腸チフスにより20歳の若さで死去

渋谷豊[シブヤユタカ]
1968年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1995年から8年間のパリ滞在を経て、信州大学人文学部教授。パリ第四大学文学博士。訳書に『きみのいもうと』(ボーヴ/日仏翻訳文学賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

39
「天才ラディゲの遺作『ドルジェル伯の舞踏会』、初めて邦訳された「最終形」の秘密 訳者・渋谷豊さんを迎えて」のイベント※1に参加するために読んだ。 本書は、ジャン・コクトーらが作者の死後に手を加える前の、ラディゲ自身の手になる最終形を訳出した本邦初の訳。/ 《作者のレイモン・ラディゲは、1903年生まれのフランスの小説家、詩人。代表作は、処女小説『肉体の悪魔』と、次作で遺作となった本作。1923年、腸チフスで20歳の短い生涯を閉じる。》(ウィキペディアより)/2021/08/26

shikashika555

38
フランソワとマオの心情の揺れや高揚の細かく丁寧な描写が、この作品のひとつの見どころなのか。 著者の10代での作品であると思えば素晴らしいものであると思う。 でも全体を通じて、どうも迂遠しており 言葉に保険をかけすぎているような よそよそしさも感じる。 なんなんだろう。 恋情は第三者の態度の模倣から生じる…みたいな世界観が、私にはあまりに狭量に思えた。 そんな形で生まれる恋情が、世の真理であるとするその視座が「厨二病」みたいに思えちゃった。ごめん。 いや、これはこれでアリと思うけど。 2020/04/10

ぺったらぺたら子 

26
「アンヌという人は実際には感じていない感情しかうまく表現できないのだ。驚きが治まってから彼はようやく驚いたふりをした。」この分析の見事さ。義務を果たすことを第一義とする階級における、人間性の疎外。欲は常に制御され、義務に沿う形へと変換される。感情と感情表現の乖離。自己は遠ざけられ、その在り処や存在すること自体をもはや本人が自覚していない。本心というものが、本人にはもう見えないのだ。そんな中、マオとフランソワの改竄された欲求は次第に真の姿を表し、恋の破壊的な純真さによって、自分自身との邂逅を迫られていく。2021/06/10

ソングライン

13
ドルジェル伯の友人となった青年フランソワがドルジェル夫人のマオに恋することから物語は始まります。夫の友人であったフランソワに次第に惹かれてゆくマオ、そしてそれが恋であることに気づいた時から、物語は急展開します。許されない恋に苦しむマオがその心情を告白するフランソワの母への手紙。それを切っ掛けに、お互いの気持ちを知る二人ですが、その後の二人を描くことなく物語は唐突に終わります。男の思いは何処か身勝手で、女の思いは破滅を顧みないほど深い、幸せな未来を想像することが難しい読後感です。2021/07/15

ラウリスタ~

12
11年ぶりの再読だが、完全に初読の衝撃。これはとんでもない傑作だ。若干20歳なのに、とかいう枕詞は必要ない。量こそは少ないがプルーストに匹敵する、滅びゆく貴族社会での恋愛心理の(ジラールの欲望の三角形の完璧な例)解剖。渋谷による解説が見事。これまで知られてきた『舞踏会』は、ラディゲの死後、兄貴分のコクトーらにより大幅に表現が引き締められたバージョン(1割も削られる)。この翻訳は初めて、ラディゲ本来の稿に基づいてなされたもの。完全に開かれた読みの可能性(同性愛、近親相姦タブー)。文学理論にぴったりの材料。2021/02/22

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