内容説明
捜査線上にヨーガの行者が浮上した。セックスを通して解脱を目指す歪んだタントラ修行とは何なのか?被害者との関係は?刑事たちはローラー作戦で姿を消した男を懸命に捜すのだが…。一方、謎のストーカーに拉致された百合子は絶体絶命の危機に瀕していた。彼女からのSOSは根本刑事に届くのか。欲望が交錯する現代の暗部を抉る傑作警察小説、大幅加筆により新たに生まれ変わる。
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誰か1人は死ぬ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
65
上巻からどう広がりを見せていくのか期待したが、何か都合よく終わらされた感じがして残念。エリートOLの売春、殺害、麻薬や政財界の闇、ストーカー事件と扱う素材は悪くなく、内容自体も面白かったがもう少し掘り下げて欲しかった。2018/03/16
yokmin
9
最後まで興味を持って読むことができた。これで読書欲がやや戻ってきた。古賀雅代の生き方に違和感を感じない自分に驚いたり・・ さて次の本はどれにしようかな。2016/03/30
Gatsby
7
上巻の勢いが下巻では欠けたかな、という印象がある。全体としては、いまだ男性中心の視点からしか考えられていない社会や会社組織内での女性の生きにくさや、それに絡む諸問題がとりあげられている。根本と百合子の関係も、根本にはどうしても女性の視点で考えることができないために、ぎくしゃくしてしまう。小説を読んでるから分かるのだが、普段の私も根本と同じようなものだろう。そういうことを、これでもか、というほど考えさせられる小説だった。2011/02/17
nadaha
5
百合子の話でなんとなくうやむやになってしまった感。ストーカー青年のキャラクターが責任能力のないオタクのステレオタイプでちょっと残念。当時の認識としてはそんなもんか。みんな怖いんだよな。オタクにしても新興宗教のヨガにしても、総合職のキャリア女にしろ、売春する女にしろ。既存の枠組みや物差しで測れない、自分たちの価値観を揺るがすような存在を恐れ、迫害し、偏見や決めつけで無理やり自分たちの認識に合わせようとする。90年代終盤は信じていたものが崩れていった時代だった。東電OL事件はそういう意味でも記憶に残る事件だ。2019/09/27
terukravitz
3
★☆☆☆☆2012/10/09