光文社古典新訳文庫<br> 三酔人経綸問答

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光文社古典新訳文庫
三酔人経綸問答

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334752866
  • NDC分類 311.21
  • Cコード C0197

内容説明

自由平等・絶対平和の追求を主張する洋学紳士君と軍備拡張で対外侵略を、と激する豪傑君に対し、南海先生の持論は二人に「陳腐」と思われて…。自らの真意を絶妙な距離感で「思想劇」に仕立てた中江兆民の代表作。未来を見通した眼力が、近代日本の問題の核心を突く!三人の酔っ払いが繰りひろげる正論、暴論、極論ありの“憂国放談”!中江兆民の最高傑作、待望の新訳!

著者等紹介

中江兆民[ナカエチョウミン]
1847‐1901。政治思想家、翻訳家、哲学者、ジャーナリスト、自由民権運動家。土佐(現・高知県)出身。本名は篤助(または篤介)。1871年、岩倉使節団に同行して渡仏。’74年帰国後、東京に仏学塾を開き新しい学問・思想を教育する。西園寺公望の「東洋自由新聞」主筆をつとめ、自由党創設に参画、著作以外に、ジャーナリストとして自由民権思想の啓蒙と専制政府への攻撃をおこなう。ルソーの『社会契約論』を翻訳・読み解いた『民約訳解』は明治以降、大きな思想的影響を与えた。門下に幸徳秋水がいる

鶴ヶ谷真一[ツルガヤシンイチ]
1946年東京都生まれ。エッセイスト。早稲田大学文学部卒業。著書に『書を読んで羊を失う』(第48回日本エッセイスト・クラブ賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小波

24
平和を重んじる洋学紳士君と武力の必要性を説く豪傑君が南海先生を前に自論を披露し、それに対して南海先生が論の綻びを指摘する。私はどちらかというと洋学紳士側に立ってこの本を読んでしまったけれど、本当はもっと俯瞰する視点が政治には必要なのかもしれない。そして現実の痛みにも寄り添える近い視点も。あとがきによると、どちらが正しいかというより読者に良く考えさせることが目的の書だそうで。しかし現実の戦争を前に考えても考えてもわからないまま…。2022/03/09

cockroach's garten

20
東洋のルソーと呼ばれた人物。恐らく中江兆民について大抵の人が知っているのはこの事ぐらいだろう。彼はルソーのことを日本に紹介した人物である、だが思想家としてはどうなのだろうか。本書からそれを知ることが出来る。三人の人物が座談会であれこれと主張する作風は珍妙だが、ウイットが効いていて面白い。昔のことだけども今にもありそうな感じがある。そして兆民の思想を表しているとされる南海先生の漸進的でありながら革新的だ。どの主張も緻密な理論を形成しており、また読んでみたくなる

白義

17
進歩民主主義の化身たる紳士君、富国強兵主義の化身豪傑君に兆民の分身とも言える南海先生、そしてそれをメタ的に野次る欄外の突っ込みらが織り成す対話劇で、彼らの対立の中に兆民の膨大な博学教養を詰め込んだ濃密な本。各キャラも記号ではなくなかなか凄い箇所がたくさん。豪傑君曰く、文明開化期に辺り後発国では新し物好きと古い物好きで国が二分する。俺は古い物好きだがそれは国の癌みたいなもんだから、他国を侵略して戦争させ、取った土地をやるか、さもなくばその戦争で死なせちまえばいい。無茶苦茶言っとりますな2014/11/04

きゅー

13
大酒飲みで政治論議が大好きな南海先生のもとに、民主主義者の紳士君と侵略主義者の豪傑君が酒を持ってやってきた。 紳士君、豪傑君それぞれが正しいと思う国のあり方について熱弁を振るい、南海先生がそれらに対して指摘を行う。政治、外交、経済の話でありながらべらぼうに楽しく、気楽に読み通すことができた。中江兆民も素晴らしいが、翻訳者にも多大な拍手を送りたい。自由民権論者としての中江兆民の面目躍如であり、政治について考えるきっかけを与える良書だろう。2021/05/13

まると

10
兆民の思想的な視野の広さを現代語訳で満喫。兆民が三人のうち誰の意見にくみしているかは最後まで判然としないが、社会の「進化」が一朝一夕に進まない中、百年先を見据えて思想が果たすべき役割については明確に示している。末尾に掲載された原文はとても読めないし、一見して読みたいとも思わないが、平易な翻訳のおかげでさくさくと読み進めることができた。日本の古典にも分野を広げて読者にアプローチする光文社古典新訳文庫は、やはり素晴らしいというほかない。2019/01/14

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