光文社古典新訳文庫
ムッシュー・アンチピリンの宣言―ダダ宣言集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 313p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334752095
  • NDC分類 702.06
  • Cコード C0197

内容説明

1916年、第一次世界大戦を避け、チューリッヒに集まった若者たち。彼らは社会への嫌悪感、未来への不安を共有しつつ、新たな生を模索しようとした。その一人トリスタン・ツァラはダダ運動を創始。世界中に飛び火し、今日まで人々を震撼させてきた。そのエッセンスを抜粋。

目次

ダダ宣言集
ダダ評論集
ダダ詩集

著者等紹介

ツァラ,トリスタン[ツァラ,トリスタン][Tzara,Tristan]
1896‐1963。ルーマニア生まれのフランスの詩人。第一次世界大戦中の1916年、スイス・チューリッヒで、言語と意味を切り離し、作家と作品を解体する反芸術運動ダダイズムを始動、現代芸術の方向を決定づける。1920年から「パリ・ダダ」の運動を主導するが、ブルトンと対立し、運動はシュルレアリスムに吸収される。その後は、芸術と社会の関わりに関心を寄せ、反ファシズム運動、反ナチ・レジスタンスに参加するが、ダダ的感性を失わずに独自の詩的言語を構築した

塚原史[ツカハラフミ]
1949年生まれ。早稲田大学法学学術院教授。専攻はフランス現代思想と表象文化論。アヴァンギャルド(前衛)芸術から消費社会への展開に強い関心を寄せ、思考実験としての現代美術に注目する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Yusuke Oga

21
これが文庫になってしまっていることが素敵すぎる・・・感想、「もう尿道なんていらない!」2014/10/31

白義

14
破壊による無のための無による無の創造、それがダダだ。不愉快な轟音を立てる芸術の解体作業、イメージが無意味になるイメージの飛躍、解き放たれた言葉の爆発、これらは全てツァラが創始したと同時に、常に我々と共にあった。ダダは解体による回帰でもある。歴史以前の芸術、その始まりのさらに前にあったはずの何か、それを現代のどんより曇った灰色の世界に復活させ、世界をぶっ壊す召喚の儀。現代芸術や現代思想の根元でいまだにツァラとDADAは悠然と笑っている。ちなみに、なにげに文庫化は初である2012/09/21

mstr_kk

9
ダダの重要文書を文庫にしてくれたことが、それだけでありがたいです。テキスト自体として、なかなかピンとこないものが多かったのですが、言葉は(翻訳でも)強度が高く、ひとつひとつじっくり味わえればもっと面白いだろうなと思いました。「ダダに関する講演」が一番わかりやすく、思わず笑ってしまいました。《ぼくらは、ぼくらの遊戯を続けることにしましょう。なぜだか、どうすればいいのか、よくわかりませんが、たまたま手に入ったすべてのものを使ってみるだけです。ろくなものはできないでしょうが、そんなことはどうでもいいのです》。2018/10/06

猫路(ねころ)

8
地を這って向こう見ず、まるでミミズのようだ。創造の豊かさとはなんだろう。2023/03/02

壱萬弐仟縁

8
1916‐22年初出。「吠えろ」と88~90頁に275個書いてる。ダダイスムは自発性と偶然を尊重(広辞苑)とのこと。「生きることは安上がりだ。死ぬほうが少し高くつく」(91頁)との指摘は、両義性が感じられる。死んだも同然との表現がその象徴なのかもしれない。「ダダイストとは不治の伝染病患者と同じもの」(175頁)。治る見込みのないというとき、諦念が生れる。今、日本は3.11から2年経過しようとしていて、PM2.5などの汚染や福一原発収束に手をこまねいているかのように見える。ダダイストが住む平和ボケでは困る。2013/03/09

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