光文社古典新訳文庫
鹿と少年〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 434p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334751548
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

厳しい自然と闘う父ペニーの姿を見て、ジョディは少しずつ成長していった。だが、あるときフラッグが問題を起こしてしまう。一家の作物を食い荒らし、生活を危機に追い込んだのだ。ペニーは、ある決断をジョディに迫る…。生きることの厳しさを描いたピュリッツァー賞受賞作。

著者等紹介

ローリングズ,マージョリー・キナン[ローリングズ,マージョリーキナン][Rawlings,Marjorie Kinnan]
1896‐1953。アメリカの小説家。ワシントンDCに生まれ、子どものころから創作コンテストに度々入賞し才能を発揮する。大学を卒業後、新聞記者となるが、作家としては芽が出なかった。1928年、旅行でフロリダ半島の奥地を訪れ、原生林の残る自然に感動し、居を定める。以後はこの地方を舞台にした小説を生み出し、1938年の「The Yearling」(本書)がベストセラーとなり、ピュリッツァー賞を受賞する。他にも数々の長短編小説を発表するが、1953年に脳出血で死去

土屋京子[ツチヤキョウコ]
1956年生まれ。東京大学教養学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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白のヒメ

51
「この世には自分の力ではどうしようもないことがある」それを知る事が大人になるという事ならば、この物語の少年はこの物語が終わった時、大人になったのだろう。けれど動物をペットとして飼っている人は、きっと主人公の感じたようにやるせない地団太を踏みたくなるだろう。こんな事を知るのが大人になるという事なら、大人になんかなりたくないと。「人生は裏切る」何回も出てくる言葉だ。作者は女性。荒い印象を受けるこの物語はどうやって生まれたんだろう。別な興味が沸いてくるほど、感銘を受けました。これは児童文学ではありません。2016/01/31

えりか

25
人生は人間を裏切り、ぶちのめす。だから覚悟しなくちゃいけない。そして、どんなにぶちのめされても、それを背負って前に進むしかない。過酷で悲しい体験をして少年は大人になった。きっと誰にでも子供から大人へと成長を遂げる1年間というのがあるのかもしれないなぁ。大切で忘れがたい1年。2015/07/12

フミ

17
「鹿のアニメやってるから」で読み始めた少年文学の下巻です。上巻の後半で、悲しいエピソードがあったにも関わらず、19世紀後半・フロリダ半島の開拓地の自然は、容赦なく少年たち一家を襲って来ます。自然災害、疫病、飢えた獣の襲撃…。春から始まった物語が、気が付くと1年が経過して、少年が拾い、育てた「仔鹿」も大きくなってしまい…という感じの物語です。全400頁中、320頁辺りからは「どういう終わり方をするのか?」と、悩み苦しむ少年に同情しつつ、引き込まれる感じでした。「最後の父親との会話」が、心に沁みました。2024/08/31

ぱせり

15
残酷で悲しい。それだからこそ美しい自然。それは、彼がこれから分け入っていく人生の象徴でもあるかと思います。それを自ら選び取る覚悟を決めたときが、少年期の終わり。これが成長なのだ、成長って、こんなにきついものなのだ、と思い知らされました。知っているつもりの『子鹿物語』は、ここにはない。最後の一文を読みきったとき、しばらく何も言えませんでした。2010/04/27

壱萬参仟縁

6
「飢えは、ぞっとするほど恐ろしい。飢えは恐ろしい獣のような口で自分を飲みこみ、鋭いかぎ爪で生命を引き裂く」(374頁)。動物と化さざるを得ない、追い込まれた人間行動。「パルメット・ヤシの葉を細長く切り取り、水車の回転翼を作った。支柱を浅瀬に立てる。回転翼が動き出す」(385頁)。なくなっていた水車を再生しようとしている描写。評者ももっと田舎に水車があれば、自然エネルギーを利活用できると思うし、農村風景に水車はふさわしいとかねがね思っている。たとえままごとでもそうした子供ごころを失ってはならないと思えるが。2013/03/03

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