内容説明
―甦る屍体。人造人間。生命の創造。モンスターの恐怖を描いた作品。マッド・サイエンティストの恐怖を描いた作品。どちらも“フランケンシュタイン”の物語の双つの顔。“Fの物語”がもたらす恐怖の源泉なのでしょう。多彩な顔を持つ“フランケンシュタイン”の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
atomos
4
間瀬純子「野鳥の森」を。フランケンシュタインの花嫁もの。傑作!ついでに詠坂雄二「ドクターミンチにあいましょう」と円城塔「Jail Over」のミンチもの二作品も読んだ。2014/02/02
FeLis-IA
3
さすが「Fの肖像」・・・・ダークだわー。「CLASSIC」「死なない兵士」「そして船は行く」「金繍鬼」「セイヤク」「ショグゴス」「光の栞」が好み。しかし闇が深い。人が何か造り出そうとするのは本能なのかな。妄執は残酷だけど「純粋で悲しい願い」で造られた「F」は人の悲しみや寂しさがある限りどの時代にもかたちを変えて在り続けていくんだろうね。2011/02/18
オシャレ泥棒
2
中里友香『セイヤク』と上田早夕里『完全なる脳髄』と小林泰三『ショグコス』が好き。『完全なる脳髄』のラストのバンドはその時に聴いていたTHE YELLOW MONKEYを想像した(違いますね)。『ショグコス』の海百合―不定形生物と人間―ロボットの対比は恐ろしくもあり爽快でもある。グロテスクな知性体はラヴクラフトの〈古きもの〉のイメージに留まらず、ハリウッド的な最新鋭のSF感がある。間瀬純子『野鳥の森』の寓意が分からなかった…読解力…。キリスト教の神の威光が陰っても生命の創造は許されないのか。2010/12/09
ちゅるふ
2
いやぁ、読解力が落ちてる落ちてる。息のいい脳みそでも移植してもらわんとな。2010/10/29
ひょろ
1
吉川良太郎「青髭の城で」青髭の創造物が幻想的で好きだ。井上雅彦「そして船は行く」いつも通りショートショートとして作りこまれている。岩井志麻子「生まれ変われない街角で」現実を描いている作だが下手なホラー小説よりずっと恐ろしいものを感じる。天野邉「自画像」後半のあの量。よくぞ書きました。上田早夕里「完全なる脳髄」人造人間を描くことから人間性とは何かを浮き彫りにさせる作。小林泰三「ショゴグス」ロボットと人間の関係についての皮肉。あとの二つは「ロボットの夜」に収録されてもおかしくない。2015/02/03