内容説明
ムック本取材のための北海道旅行からの帰路。向河原友梨ら取材班は、寝台特急カシオペアの車中にいた。一方、友梨の婚約者で刑事のキョウジは、連続殺人鬼Jを追っていた。が、殺人鬼の罠にはまり、意識不明の重体となってしまう。やがて、友梨の頭の中に彼の声が聞こえてきて…。Jはこのカシオペアに乗っているというのだ!ファンタジックな本格推理の傑作。
著者等紹介
黒田研二[クロダケンジ]
1969年三重県生まれ。2000年「ウェディング・ドレス」で第16回メフィスト賞を受賞してデビュー。コミック原作やノベライズなど、幅広いフィールドで活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
28
コンパクトな中に特殊な設定を生かした仕掛けを織り込む本格ミステリ魂はやっぱりくろけんさん好きだなぁと思う。語り手の真里を絶望から混乱そして決意へとどんどん回していくストーリー展開に乗せられるページターナー。ただし説明しなくてはいけない前提や設定が多いせいで、密室状況の検証がちゃんとされず、すぐに謎解きに入ってしまうのはタメが無くてもったいない。犯人のロジック展開を追ってその穴から犯人を特定する二重のロジック構築や伏線ちゃんと張って回収する手際が良く、続編を十分期待できる出来栄えなのになぁ。2019/02/15
coco夏ko10角
25
カシオペアに連続殺人鬼が…!?寝台特急が舞台ということで時刻表トリックかな、となかなか読まずにいたけど、時刻表関係なくもっと早く読めばよかった。伏線がちゃんと張ってあって、なんか違和感はちょいちょいあったけど分からないまま解決へ。続編があるみたいなのでそのうち手にしてみたい。2019/02/24
すたこ
21
★★★★とっても愉快で面白かった。漫画を読んでるようなリズミカルさで一気に読めた。逆転裁判のゲームもコミックスも大好きなんだけど、まさにゲームをしたりコミックスを読んでる感覚。貼りめぐされてる伏線回収もお見事!ファンタジー要素のふたり探偵の設定も面白かった。何が異常で正常か、その答えのない答えがラストでまとまってくる感じも良かった。《これがお前の青、か》キョウジのこのセリフがすごく好き!2020/08/08
惠
5
くろけんはあまりお上手じゃないので期待せず読んだのだけれど…面白かったー(笑)。カシオペアに魅かれて手に取ったのだけれど、カシオペアである理由は特にないかも。トラベル色もないし。でもいいのだ、くろけんだもの。ファンタジーって苦手だけれどこの設定はアリ。いろいろアラはあるけれど、まぁ、よかった(笑)。2011/08/06
イーダ
4
伏線の張り方や叙述トリックなど、非常にうまく使われていて楽しめました。カシオペアが使われているのも嬉しかったです。2014/12/01
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- 和書
- 聞き出す力 〈続〉