文化の透視法―20世紀ロシア文学・芸術論集

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  • サイズ A5判/ページ数 434p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784888964036
  • NDC分類 980.4
  • Cコード C1098

内容説明

20世紀前半のロシアはリアリズムから象徴主義を経て、実験的な詩や散文、無対象絵画、前衛的な音楽や映画の試みが爆発的に開花した時代であった。またストラヴィンスキーやナボコフなどロシアから海外にその活動の拠点を移し、実験的な試みによって西欧の文化に深い影響を与えた芸術家を輩出した時代でもあった。本書ではスターリニズムの冬の時代に不当に忘れ去られていた多くの作家・芸術家とその作品、また文学研究者の理論的営為を取り上げ、文学、美術、音楽、文学理論の諸領域にロシアがどのような貢献をなしたかを「透視」する。

目次

1 詩的言語の冒険(アンナ・アフマートワ―初期詩の躍動性;抒情詩への回帰―パステルナークの詩集『第二の誕生』について ほか)
2 二十世紀批評の源流(ディオニュソスと認識―ヴャチェスラフ・イワノフのニーチェ批判;“約束事”の終焉―ロシア・アヴァンギャルドの両義性 ほか)
3 二十世紀ロシア小説の光景(襞、そして律動する言葉―アンドレイ・ベールイ『ペテルブルク』を読む;ザミャーチン『洪水』のペテルブルグ―もうひとつの『罪と罰』の誕生 ほか)
4 ロシア・アヴァンギャルドの越境(二十世紀演劇とチェーホフ;メイエルホリドとチェーホフ―『三三の失神』をめぐって ほか)

著者等紹介

伊東一郎[イトウイチロウ]
1949年生まれ。1977年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早稲田大学文学部教授。スラヴ比較文化史

宮澤淳一[ミヤザワジュンイチ]
1963年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部・早稲田大学第一文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程退学。2007年東京大学より博士(学術)。青山学院大学総合文化政策学部准教授(2008年4月より)。文学研究、音楽学、メディア論。著書に『グレン・グールド論』(春秋社、2004年、吉田秀和賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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工藤 杳

1
ドゥルーズ、ベールイについて書いてたのね(「フーコー」の襞)。ブルガーコフ、ザミャーチンはしっかり読む必要がある。大石「一枚の絵画」:マレーヴィチの白黒の下に絵画があった話。亀山「ロシア語でAが「私」を意味していることは、周知の通りである」意味わからん。あまり見たことないほど誤植が多いが、それはそれとして。2016/12/03

Sapporo Shiojiri

0
宇佐見守吉「パステルナークの『リューヴェルスの少女時代』」。筆者曰く、「詩は言葉と言葉以前の場に生まれる」というテーマがパステルナークの好みである。詩は自然の営みとして自ずからノートの上に注がれる。中編小説『リューヴェルスの少女時代』においても、パステルナークの詩的世界における〈境界〉意識というテーマを指摘することができる。本作の主人公のジェーニャはいまだ名前の無い未知の世界を経験し、その「名前あるいは言葉の発見」を通じて世界と自分自身を新たに認識し、幼児→幼女→ひとりの女性へと成長を遂げていく。2019/02/27

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