内容説明
記憶喪失の吉田さんは、ミステリマニアの店主が作るマッシュルームカレーを食べるたびに、あの探偵、この探偵になりきってしまう。しかし、その推理の冴えは―。綾辻行人から有栖川有栖まで、オリジナル作者も公認の「推理&もどき」の華麗なる世界。トリック、ロジック、テクニック!新本格の最終兵器・霧舎巧の魅力が炸裂する極上絶品の美味をご賞味あれ。
著者等紹介
霧舎巧[キリシャタクミ]
1963年神奈川県生まれ。’99年に『ドッペルゲンガー宮“あかずの扉”研究会流氷館へ』で、第12回メフィスト賞を受賞。島田荘司命名のペンネームで、20世紀最後の新本格派新人として、注目のデビューを飾る。トリックとロジックを、その巧みなテクニックで融合させた作品を次々と発表して、多くの読者の支持をつかむ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
92
新本格ミステリを代表する作家たちの、良く知られた名作を「もどいた」連作短編集。元作の特徴をたいへん巧く表現しており、読むとニヤニヤが止まらない事間違いない。根幹を成す物語は、作者霧舎氏のオリジナルなので、本作から元作のストーリーやトリックがバレてしまう心配はない。「三、四、五角館の殺人」「人形は密室で推理する」「双頭の小悪魔」など、タイトルを見ただけでもワクワクしてしまう。登場人物の名前も、ちょっと考えると直ぐ解る、ミステリ作家たちの名前をアレンジするなど愉しくて仕方がない。私は好きだなぁ、続編も読むよ。2018/12/13
gonta19
91
2010/2/15 Amazonより届く。2016/8/9〜8/18新本格の代表作をもどいた作品集。「三、四、五角舘の殺人」、「二、三の悲劇」、「人形は密室で推理する」、「長い、白い家の殺人」、「雨降り山荘の殺人」、「13人目の看護師」、「双頭の小悪魔」とタイトルを見たら元作品がすぐわかる。オリジナル作者の特徴を捉えながら、オリジナルのネタばらしにならないように工夫するのは、普通に書くより大変だったろう。続編もあるので、楽しみである。2016/08/18
hnzwd
50
霧舎巧が新本格時代の担い手であり、今なお第一線である作家さん達の作品を『もどく』短編集。メフィスト賞が中心かな?タイトルで本家の作家さんと作品名が思い浮かぶくらいの豪華な作家陣です。記憶喪失の主人公が、事件に出会うと推理小説の主人公になりきってしまい、、というストーリーも楽しい。良質なパロディでありオマージュになってます。すぐに続編読みます。2013/05/08
🐾Yoko Omoto🐾
43
豪華作家陣の有名作品を本家公認の下に霧舎氏が「もどく」連作短編集。もどきとは言え、ストーリーはロジックの効いた霧舎オリジナル。記憶喪失の主人公「吉田」が毎回好きな推理小説の探偵役に変身し、看護師「エリ」と事件に巻き込まれながら、吉田の記憶喪失の謎も追っていくユーモラスなストーリー。(探偵のなりきりぶりは本家を知っているとかなり笑える。特に“双頭の小悪魔”では江神のはずがなぜか火村に(爆))霧舎氏は何気ない文章に意外な伏線が隠されていることが多いが、今作でもその企みは健在。吉田の正体にもニヤリの結末。良作。2013/08/21
yucchi
39
新本格作家の作品をもどいた連作短編集。もどかれた作品のうち、山口雅也氏のみ未読。作品によっては解決がわかりづらいのもあって、それは私の読解力の低さのせいなのか(*_*; 『吉田さん』の名前の由来がわからない(^o^;) こちらの内容を覚えてるうちに続編も読もう。2016/02/28