内容説明
板前の佐吉は、裏稼業から足を洗って四年。平穏な日々に倦み始めていた。そんな折、大恩ある人物の娘で、かつて惚れあった仲のおたかに、「稼業にもどってほしい」と頼まれる。闇の仕置人の組織「六道捌き」―その内部に巣くう反逆者たちの粛清に、佐吉の力が必要だというのだ。かくして、伝説の刀役・龍が甦る!時代小説に新風を吹き込む、大器のデビュー作。
著者等紹介
浅野里沙子[アサノリサコ]
東京都出身。レーシングチーム、芸能プロダクション勤務などを経て、作家修業に入る。『六道捌きの龍 闇の仕置人無頼控』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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蕭白
6
主人公の生い立ちにも、脇の登場人物たちにも、いろいろワケアリなようです。1巻目なのにどんでん返しもあって、これからの展開が楽しみです。北森鴻先生の作品を通して著者のことを知ったのですが、良き出会いになりそうです。2014/11/16
chobi
2
題名からかっこよくないですか。「六道捌き」ですよ。「将軍家安泰のため将軍家に楯突くものを探し出し密かに葬り去る」組織を一度抜けたものがまた、その組織に戻り…。西と東にその組織が存在し、組織の継続と腐敗の中で粛清を行うために…。もう設定がかっこいい!また、刀に全く興味のない私でもゾクゾクする刀の色気。はー。佐吉はどうなるのかっ!2017/11/06
ワッピー
2
著者が北森鴻さんのパートナーと知ってから興味を持って手に取りました。一度は組織を抜けた凄腕の仕置人が組織の危機にあたって再び刀を手にするというカンバックストーリーです。もう「凄腕」と評価が決まっている主人公に対して、謎の剣客浅井菊弥の優美さが魅力的です。非情に徹しなければならない世界に戻るための葛藤が主旋律で、さらにそこで待ち受ける陰謀も裏に裏ありで最後まで気が抜けません。時代小説の会話の中でさらっと「位置関係は・・」なんて言葉を使われるとビックリしますが、力のこもった作品でした。2014/01/26
pagrus55
1
☆☆☆☆2017/11/18
Endo Takafumi
1
浅野あつこさんの作品かぁ、と思ったら勘違い!でも、面白い作品でした。自分はあまり時代小説を読んでいませんが、女性が描くから江戸時代の人々が美しいのか、それとも人々自体が本当に美しいのか考えます。背筋が伸びる作品です。2013/05/31