光文社文庫<br> 顔のない敵

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光文社文庫
顔のない敵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 291p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334745271
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

一九九三年、カンボジア。NGOのスタッフが地雷除去作業をつづける荒れ地に、突然の爆発音が轟いた。立入禁止区域に、誰かが踏み入ったのだ。頭部を半分吹き飛ばされた無惨な死体。これは、純然たる事故なのか、それとも―。表題作のほか、本格の旗手・石持浅海の原点ともいうべき「対人地雷」ミステリー全六編と、処女作短編で編まれた第一短編集が待望の文庫化。

著者等紹介

石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部を卒業後、食品会社に勤務。鮎川哲也編の公募アンソロジー『本格推理』(光文社文庫)に、秀作短編を発表したのち、光文社の新人発掘企画「カッパ・ワン」に応募した『アイルランドの薔薇』で、2002年に長編デビュー。’03年刊行の第二長編『月の扉』は、各種のランキング企画に上位ランクインし、日本推理作家協会賞の候補にもなる。さらに、’05年刊行の『扉は閉ざされたまま』は、ベストセラーとなり、いまもっとも期待される本格ミステリーの旗手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダイ@2019.11.2~一時休止

117
対人地雷がテーマの連作短編集。地雷原突破は第一話で既読。活字デビュー作がおまけ?に載っている。トラバサミが一番よかった。2015/07/31

セウテス

98
対人地雷をテーマにした、7作の短編ミステリ。様々な対人地雷についての知識や見解が語られており、カンボジアの地雷撤去の現状やNPOの活動内容などが描かれ、ミステリ抜きでも勉強になる作品だ。本作の特徴としても、ある作品で亡くなった者が別の作品で探偵役であったりと、作者の人間性の追究が現れている様に思う。よってエンターテイメントという位置付けが弱い為に、ある意味読者を選ぶ様な作風になるのだろうと感じる。1つのテーマに沿ったミステリという意味で、価値ある試みの作品だと思うが、私には少々重い気持ちが残る作品である。2018/10/02

sk4

74
表題作の『顔のない敵』と冒頭の『地雷原突破』を読んで心に棘が刺さってるのに気づく。 思い出したのは伊坂幸太郎の『モダンタイムス』に描かれた【代理心理】。命令されたら何でもやるという人間の愚かな習性。 命令されて地雷を設置する時に、それが人の脚や命を奪う事をおかしいと思って欲しい。 リーマンショックの頃だったか、『黒鳥理論』で有名なタレブがアメリカの銀行家たちの無責任なモラル感覚を公で批判していた事に新しい時代を感じたが、人間一人一人がきちんとモラルを持って生きていく事が、未来への方舟だと私は信じる。2013/07/28

きっしぃ

55
対人地雷がテーマの短編と、処女作が収録された本作。日本に住んでるとなかなか対人地雷のこととか、それが埋められた国の人々について考えることもなかったけれど、こんな残酷なものがあってはいけないと思いました。作る人、撤去する人、被害者、それぞれの思いが生んだ事件。非常に興味深かったです。最後の処女作の短編も、エレベーター内で起こる事件がロジカルに展開され、石持さんらしさがあり面白く読めました。2017/04/10

ピップ

41
対人地雷をテーマにした短編集+1。連作っぽいけど、全体的なまとまりはないので、短編集といった方がしっくりくる感じ。石持さんは、みんなで、時には犯人を含めての推理合戦の作風がとても好みです。人狼ゲームのように。でも短編になると、推理合戦も浅い感じで終わってしまうように感じます。短いので仕方ありませんが。それでも、+1の「暗い箱の中で」はとてもおもしろかったです。2022/02/18

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