出版社内容情報
「四半世紀も続くシリーズの最新作で新たな傑作を生み出した」
--飯城勇三(翻訳者・評論家/巻末評論より)
ロシア革命から数年経ったシベリア奥地。
逃亡貴族たちが身を隠す<死の谷>と呼ばれた辺境へ
秘密裏に物資を運ぶ<商隊>と呼ばれる一団がいた。
その命知らずな彼らさえも、恐怖に陥る事件が発生!
未知なる殺人鬼の執拗な追跡、連続する密室殺人、
<死の谷>に甦った巨大マンモス……。
常識を超えた不可解な未解決事件を
名探偵・二階堂蘭子が鮮やかに解き明かす!
二階堂黎人作家生活25周年記念特別企画
評論「二階堂蘭子シリーズの四半世紀」(飯城勇三)を収録!
内容説明
名探偵・二階堂蘭子が挑む幽霊マンモスと2つの密室殺人の謎!
著者等紹介
二階堂黎人[ニカイドウレイト]
1959年7月19日、東京都に生まれる。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第1回鮎川哲也賞で『吸血の家』(講談社文庫所収)が佳作入選。1992年『地獄の奇術師』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
336
案の定『人狼城~』以前のお話。密室トリックは確かに面白い。が、気になるところも非常に多い。シュペアが用意した引っ掛けは『ロシア館~』を読んでいればさらに楽しめる、ではなく、読んでいないとわからないレベル。フェア/アンフェアがすごく微妙。夢見の予言に対して完全スルーで蘭子が推理を組み立てるのが不自然なのと、同好会内での出題という中・短編向けの物語構成も気になる。解説にある通り、個々のパーツが組み合わさる相乗効果が特に無いので(特にマンモス)、密室トリックだけ別の長編にした方が更に良くなったのでは?と感じた。2017/09/17
ダイ@2019.11.2~一時休止
96
二階堂蘭子その13。時系列はロシア館の謎と人狼城の恐怖の間らしい。二階堂さんらしい感じで面白かったですが、目次見て想像通り蘭子は解決篇のみの登場ですなぁ。2017/09/23
そうたそ
34
★★★☆☆ 二階堂蘭子シリーズは当たりはずれの差が激しいが、これは当たりの部類に入れていいだろう。ロシアのシベリアの奥地<死の谷>に向かう「商隊」と呼ばれる一団。彼らのいく先々で不可解な事件が次々と発生し、巨大マンモスまでも甦ることとなる。正直、表題にもなっている巨大幽霊マンモスの謎は大したことない。それよりも雪上密室の解決に驚いた。何を言うにもネタバレになるので言えないが、足跡なき密室の謎は数あれど、この答えは過去に例がないだろう。手記という形式をとって進められるが、そこまでも活かされており流石の一言。2017/11/05
のりすけ
23
ここ最近の二階堂さんの中では、比較的まし…。でも相変わらず文章がおかしいところやらが結構あって「は?」となってしまいました。他所の国の方がでてくると、名前が覚えられない病なので、出来ますればジャパニーズ国内の話にしてほしいです…。BBAになるとカタカナ名前があかんくなるねん…。2018/05/13
二分五厘
21
シベリアの奥地の辺境『死の谷』。ロシア亡命貴族が潜むといわれるそこに近づくものは、巨大な幽霊マンモスに虐殺されるという。ドイツ軍シュペア少尉は、スパイとして谷へ潜り込み、破壊工作を行うことを命令される。だが彼らを追う追跡者の暗躍が、次第に影を落としていく。二階堂蘭子シリーズだけど、6割は大戦前のロシア冒険譚。幽霊マンモスの謎よりも、メインは足跡のない雪に閉ざされた館の殺人二連発。特に後のトリックは…前代未聞?‼呆然し、目が点になった。正に究極の足跡トリック。『殺人芸術会』まともな推理する気がないのかな。2018/04/01