内容説明
佐賀市内のホテルで学生テニス選手権の優勝者・小田垣悦也が撲殺された。死体発見の数時間前にホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まり、一週間後、北海道で光秀は逮捕される。だが、彼には、鉄壁のアリバイがあった。『落としの達人』の異名をとる、水木警部補と光秀の、密室での行き詰まる攻防が始まる!ミステリーの新たな可能性を拓いた推理傑作。
著者等紹介
笹沢左保[ササザワサホ]
1930年、神奈川県生まれ。’60年に『招かれざる客』が江戸川乱歩賞次席となり、作家生活に入る。翌’61年『人喰い』で日本探偵作家クラブ賞を受賞。’99年、第三回日本ミステリー文学大賞を受賞。2002年逝去。享年71(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
24
殆どが取調室の中での会話。犯行を裏付ける物証と自供を引き出す容疑者と刑事の攻防。完璧なるアリバイを堕としていく刑事はいいが、曖昧な動機と感じた。2019/05/02
coco夏ko10角
23
「取調べを主体にした推理小説っていうのは、まだ読んだことがありませんよ」確かに、事件によってはそういう推理小説があったっていいはずなのだ。ほとんどの場面が取調室、話してるのは水木警部補と容疑者の二人。事件の真相はなんとなく予想できるけど、それを警察側がどう証明するのか?と気になってあっという間に。火サスではシリーズになったみたいだけど、小説はこれ一冊なのかな。御子柴刑事がいいキャラしてるし、もっと読んでみたかった。2019/04/13
はんげつ
3
個人的に笹沢作品の中では少し落ちる一冊でした。このアリバイトリックがもしわからないままだったら警察としては大失態だったに違いないという部分です。しかしその元になる着想は推理小説を読んでいれば一度は考えたことがあるだろうもので、それかぁ!という快感もありました。取調室が場面のほとんどである本書ですが、被疑者の冷徹で計画性のある人物印象がその姿を変える最後の謎解きには(上記の不満があるものの)唸らされました。読者としても被疑者に一対一で向かい合ってきたからこその驚きで、よかったです。2019/12/31
黒い森会長
2
容疑者と刑事の取調室での攻防。焦点は、鉄壁のアリバイ。完全に準備した?犯人を刑事は「落とせるのか」時間との戦いでもあった。サスペンス物。読みどころはp126-130までの推理小説論?。こんなサスペンス物に挿んでくるとは。 エッセイ2編収録。2017/08/16
だっち
0
★★★☆☆2017/10/04