内容説明
髪は黒繻子のようにつややか。色白の瓜ざね顔に、さくらんぼのように丸く赤い口唇で、紅や白粉に汚されることのない素顔美人。谷中・笠森稲荷の茶汲娘・鍵屋お仙は、江戸で評判の人気者だ。推理の冴えと悪を許さぬ心、袂に隠した飛礫を武器に、お江戸の闇に光明を照らす。鈴木春信の錦絵や、短歌、川柳を背景に、風情溢れる人情派娘捕物帳。好評時代連作シリーズ。
著者等紹介
山内美樹子[ヤマウチミキコ]
青森県生まれ。神奈川大学法学部卒業。日本公認会計士協会等経理関係の仕事に携わりながら、執筆活動を始める。1999年、山村正夫小説講座(現在は山村正夫記念小説講座)に入り、山村氏に師事する。山村氏の急逝後、遺志を継ぎ、名誉塾長に就いた森村誠一氏の薫陶を受ける。2005年、「十六夜華泥棒」で、第三回北区内田康夫ミステリー文学賞審査員特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のびすけ
24
笠森稲荷門前の水茶屋の看板娘お仙が、身のまわりで起きる事件や謎を解決する人情ミステリーの連作短編・第2弾。実在する鈴木春信の錦絵と事件に関わる登場人物が物語の中でリンクする面白い構成。事件の背景にある人間模様と人情味溢れる結末。4編すべて面白かったけど、中でも「爪紅お駒とはたた神」が印象的だったかな。お駒の優しい心根にほろりとさせられた。2021/09/21
藤よい
5
シリーズ2作目。登場人物たちにも馴染んできました。袋耳の忠公が良い仕事をしてて1話目の最後、遊女梅若の読売は面白かったですね。2019/11/24