内容説明
浅見光彦は軽井沢のセンセから、一通の手紙を託された。上野・不忍池で起きた殺人事件の容疑者にされた青年が、無実を切々と訴えていた。数日後、青年は谷中霊園で死体となって発見され、警察は自殺と断定する。釈然としない光彦は下町へ足を向けた。背後には上野駅周辺の大規模な再開発問題が…。下町の義理と人情に隠された事件。浅見は真相に迫れるか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
60
浅見光彦シリーズ第43弾。本作は軽井沢の先生こと、内田康夫氏自身が登場します。光彦は内田先生を通して、上野不忍池で起きた殺人事件の容疑者とされた男から、無実であるという切々たる訴えを受け取ります。しかし、本業の仕事に追われる内に、男は谷中で自殺死体となり発見されます。本作は本業でない探偵活動故の間に合わない対応や、探偵活動そのものを偽善者のごっこと卑下され、活動自体が儘ならない事もあるという本質的問題に触れています。又再開発に於ける光と影、大切な現代の社会問題を取り上げる、良い形となった作品だと感じます。2017/01/15
ヨーコ・オクダ
27
軽井沢のセンセ登場作品。いつもの光彦ならセンセが持ち込む?事件に何だかんだ言いつつも関わることになるんやけど、今回は何と断った!?そして、忘れたことにしているうちに、件の事件の関係者の死体が谷中霊園で発見される。そこからはキビキビと動きまわる光彦。上野駅周辺の再開発に絡む裏事情が浮かび上がってくる。我が下町にさまざまな想いを抱く地元民たちと正義を大事にしたい光彦の双方の熱い想いが導き出した結論は?中盤で見えてきていたドロドロは終盤で消化。ある意味、犯人以外の人らが墓場まで重たいものを背負って行く感じ。2021/04/15
十六夜(いざよい)
13
上野駅の取り壊しか、存続かで二分になってしまった谷中で、光彦の依頼人が殺された。光彦は現地で確執の背景を探ろうとするが、また密室で死者が出てしまい…。ヒロインの繭子は最後までイマイチだった。またしても光彦お馴染みの、お兄さんで警察ビビるが見れて良かった。2018/11/12
MASA123
12
本書は2007年の刊行なので、新幹線が上野から東京へ延伸する話題に、いつの話なのかと思ってしまった。本作の初出は、1991年の角川文庫の書き下ろしでした。自分が知っているのは、リニューアル後の上野駅であり、観光地になっていた「谷根千」ですね。 ヒロインの大林繭美は、森まゆみ、だとすぐわかった。大きな林は森だ。喫茶店の「蘭歩亭」は「乱歩」だ、観光客のすくない時に訪ねたことがある。切株の椅子があった。 2023/08/03
まり
7
図書館本。軽井沢のセンセが登場、相変わらず軽い感じが茶目っけたっぷりで楽しい。今回は母上の登場がなしで、それはちょっと残念。久しぶりにドラマでよく見るお兄さんが警察の偉いさんのくだりがあってニヤニヤしてしまった。上野って過去との繋がり東北との繋がりが大きい所なんだなぁとしみじみ思った。前に西村京太郎さんの作品でも上野は特別って描かれていた。今回も悲しい事件だった。2023/04/30




