感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinnov
16
今時のコインロッカーベイビーは、コウノトリポストから産まれた。赤ちゃんのぺニスを咥え薄荷煙草みたいだと感じた母親は、無抵抗な存在に嗜虐的な行為を行う存在になっていた。望まれず産まれた存在が、祝祭で日常を無秩序に陥れ破壊しようとする物語は、嫌いじゃない。むしろ共感を抱く。冒頭の東京タワー破壊には度肝を抜かれ、落ちてくる子供の残酷な美しさには震えたが、私の中の破滅への意志が共振できなかった。過剰と蕩尽の本質があと一歩突き抜けてこなかった。小説賞の大賞で受賞作らしい野心と荒削りな力に溢れた作品だ。2017/12/22
ちょん
10
読みにくさが強く途中で挫折。2015/06/25
MarsAttacks!
9
僕は虐待された児童が冷酷無比な犯罪者になると言う物語は、あまり好きじゃない。この物語の犯人「慈男」も嬰児のとき、全身切り刻まれ赤ちゃんポストに捨てられた経歴を持っています。彼がどうして東京タワーを爆破し、更なるテロ行為を起こすのか、何故このような人間になったのか、読んでいて今ひとつ納得がいかない、彼の背景の描写が足りない感じがした。他にもツッコミ処があるけれど、深く物語を考えなければ、これはこれでいいのかな？2012/02/27
マムみかん(＊ほぼ一言感想＊)
6
第１回「ゴールデン・エレファント賞」大賞受賞作。 大賞を同時受賞した中村ふみさんの『裏閻魔』が面白かったので、こちらも期待して読みました。 親に虐待され〈コウノトリ・ポスト〉に棄てられた赤ん坊が、優等生の仮面の下に不穏なものを隠しながら好青年に成長し、ついには悪魔の意思に乗っ取られて人間という種の否定・大量殺戮を望む…。 読ませる力はあるけれど、キャラがイマイチ魅力的じゃないな〜。 盛り上げた割には、終わり方もちょっと残念！ 2011/07/17
monken
5
勢いで読ませる力はあるとは思いましたが、ラストの方は警察もあんなもんじゃ終わらないのでは…？とちょっとリアリティに欠けたような。読む前に色々評価読んでしまい、かなりハードルが下がったのが逆によかったです。2011/11/26
