内容説明
本書は、乱歩・清張共編の『推理小説作法』の姉妹編にあたる。しかし、編者・木々高太郎と有馬頼義の主張は、前書と比べ個性的でユニーク。その魅力に加え、裁判、証拠、毒物、監察、捜査の専門家による基礎知識の「解説」を四編収める本巻は、実際ミステリーを書く上でも有益な構成となっている。さらに松本清張の秀逸な“文章論”を収録。現在でも貴重な示唆に富むものだ。
目次
私の推理小説論(有馬頼義)
推理小説の文章(松本清張)
裁判と証拠(桐山隆彦)
毒物の知識(佐藤文一)
監察医の話(吉村三郎)
犯罪捜査(長谷川公之)
探偵小説の諸問題(木々高太郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
10
性格上陰惨な記述が多い。データが古いけれど参考資料として役立つかと思いストックしてある。いつかミステリも書いてみたい。2011/10/25
小高まあな
1
面白かった。実際の事件が例に出てくるのがわかりやすくていい(古いけど)裁判と証拠は法学畑の人は楽しめそう2010/09/29
結城あすか
0
書く人のための推理小説入門といっても推理小説そのものの技術的な内容ではなく、そのネタに使われる犯罪事件やその捜査についての、この本が書かれた当時の現実の知識をまとめたものって感じの本にょ。漠然と推理小説を書いてみたいと思って読んだ人には期待はずれで敷居が高いかもしれないけど、雑学のネタとしては非常に興味深い本だにょ。あるいは文章は書けるけど推理小説に描かれる犯罪関係に関するガイドが欲しいというような人には適してるのかもしれないにょ。2011/05/29
冬至楼均
0
「作法」の続編。というかアンチテーゼ。中程の4章は関係者による実録モノ的に読める。2010/10/03
甘鯛
0
昔の人特有の冗長でまとまりがなく読みずらい文章も見受けられる。また、全体として情報量の密度が高く、一度に咀嚼しきれないと感じたのでとりあえず気になった章だけ流し読み。 内容と関係ないがこのような大昔の人が書いた本を文庫として読むことができるのは中々有り難いことだ。2020/05/05