出版社内容情報
著者最後の犯人当て小説「妻に失恋した男」、少年もの後期の奇想が炸裂し、胸躍らせる「奇面城の秘密」「夜光人間」「塔上の奇術師」に加え、明智と二十面相の決闘が愉快な表題作はじめ乱歩作品集初収録の三編を一挙掲載。ファン垂涎の一巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
74
#怪人二十面相が大幅バージョンアップで怪人四十面相へ。#明智軍団拡大で元クソガキまで加入もなかなかいい仕事をする。#明智小五郎と怪人二十/四十面相が取っ組み合いまでするなんてwww。#相変わらず存在感全くナッシングの警察、カワイソス。2023/02/02
道楽モン
53
1957〜59年の作品集。『妻に失恋した男』が唯一の一般作で、少年探偵団モノが6篇収録。晩年に近づいている当時、順調に売り上げていたのは少年探偵団シリーズであり、彼の全精力はライフワークでもある探偵小説研究や評論に傾いていたと察せられる。少年少女向けの読み物としては、抜群の中毒性を持っており、小学1、2年生向きの雑誌にも連載されていたのは驚きだ。一読すると、なるほど彼らにも理解可能な文体で、その器用さにも感嘆する。これは代筆者の手柄なのだろうか。全集でしか読めない、こうしたマイナー作の解説が欲しいところ。2025/04/20
KAZOO
26
最初の3篇を除くとあとは少年向きの探偵ものです。少年ものを読んでいると非常に難しい感じなどがなくひらがなが多くなっています。それで分厚くなってしまうのでしょうか?「かいじん二十めんそう」と題名までがこのようになっています。まあ私は昔を懐かしんで読んでおりました。2014/10/20
不見木 叫
14
少年探偵団ものがメインだがその中ではやや捻りが効いている「奇面城の秘密」が佳作。それに加えて「妻に失恋した男」が私的ベストです。2024/12/29
頭無
8
「奇面城の秘密」ほぼポケット小僧一人の手柄。誰よりも活躍してるのに誰からも名前を呼ばれない悲しさよ。「夜光人間」名刺で名乗る時は夜光の人。ポケット小僧、小林に片腕と言わしめる。「塔上の奇術師」僕は四十面相です。珍しく名乗る。ヘリに乗って逃げる時の操縦士は高確率で明智小五郎。「低学年向けの作品3篇」全てほぼポケット小僧一人の活躍。小林の方がポケット小僧の片腕なんじゃないか説。ポケット小僧が表題でもよかった。ポケット小僧は四年生と判明2023/03/27